漢方、鍼、整体

BC州では漢方薬の費用も医療費として認められているが、不妊治療の場合は適用されない。チャイナタウンの漢方薬の店に入ると、漢方医が血圧などを診て漢方薬を処方してくれる。費用は患者それぞれの状態などによって異なる。まず、電話などで問い合わせてみよう。

例えば、下記のPentland医師の場合、漢方薬の費用は1カ月100ドルから300ドル、鍼は一回80ドルで、不妊治療で鍼を利用する場合は最初のコースとして一週間に一度の割合で12回連続で行う。

また、人工授精を行う際に着床しやすくするように、治療を受けることもできる。

 

Dr. Spence Pentland
Qi Integrated Health
2618 W. Broadway, Vancouver
Tel : 604-742-8383

http://www.drspencepentland.com
(質問などはウェブサイトから行うことができる)

 

Dr. Beiyou Hu
BURNABY NATURAL THERAPY CLINIC
#308-4900 Kingsway, Burnaby
Tel : 604-779-3001

 

Dr. Wu's Clinic
#218-736 Granville St., Vancouver
Tel: 604-818-9021

Email : This email address is being protected from spambots. You need JavaScript enabled to view it.

Website :http://www.drwukanpo.com

 

医師による治療

まず不妊の原因を特定することが重要だ。男性側、女性側のいずれかに原因がある場合、あるいは両方に原因がある場合もある。

 

不妊治療の流れ

医師による治療の場合は、ファミリードクターからスタートする。しかし直接、スペシャリストのドアをたたくことも可能だ。

1 ファミリードクターから専門医へ
まずはファミリードクターに相談するのが一般的だろう。不妊の悩みを話すと、医師にもよるが、基礎体温をつけること、さらにホルモン検査や、卵管を調べる経膣超音波(Sonohysterogram)、精液検査など、幾つかの検査を受けるように指示がある。あるいはすぐに不妊治療の専門医を紹介してもらえることもある。

不妊治療機関、Genesisでは、新患の場合、最初にコンサルテーションを行う。コンサルテーション費用はMSPでカバーされている。診察を受けるには、ファミリードクターの紹介が必要だが、ウォークインクリニックに行って、医師に紹介状を書いてもらってもいい。あるいは、セルフリファーラルという形も可能だ(その場合、追加で100ドルかかる場合もあり)。現在のところ、新患がコンサルテーションを受けるには、4〜6週間かかる。

BC Women's Centre for Reproductive HealthはUBCの関連機関で、非営利組織となっているが、費用は他のプライベートの機関とあまり変わらないという話もある。(それぞれのケースで費用が異なるので、比較は難しい)

 

Genesis Fertility Centre
バンクーバークリニック
300-1367 West Broadway, Vancouver
Tel : 604-879-3032

サレー
116-13798 94A Ave., Surrey
Tel : 604-879-3032

e-mail :  This email address is being protected from spambots. You need JavaScript enabled to view it.

http://www.genesis-fertility.com

 

Pacific Centre for Reproductive Medicine
500-4601 Canada Way, Burnaby
フリーダイヤル : 1-866-481-7276
Tel : 604-422-7276

http://www.pacificfertility.ca

 

BC Women's Centre for Reproductive HealthはUBCの関連機関で、ファミリードクターの紹介が必要。

D-600-4500 Oak Street St., Vancouver
Tel : 604-875-2445

http://www.ubcfertility.com

 

2 コンサルテーションから検査
専門医でまずコンサルテーション。状況を説明して、原因を調べるために検査を行うよう指示を受ける。

 

3 治療
原因が分かったら、治療方針を決めて、治療に移る。大まかに次の治療がある。

人工授精(Intrauterine Insemination-IUI)
精子の数や頚管粘液に問題があったり、生殖医療の一つで、妊娠実現のために、人為的に精液を子宮腔内に直接注入する。子宮内に直接精子を送り込むことで、精子が卵と出会える確率を高め、自然妊娠を目指す。配偶者の精子を使用するのは、Artificial Insemination with Husband's semen: AIHで、配偶者以外の精子を使用するのは、AID…Artificial Insemination with Donor's semenだ。

体外受精・胚移植(IVF-ET)
一般的な体外受精のこと。排卵近くまで発育した卵子を体外に取り出し(採卵)、精子と接触させ(媒精)、受精し分割した卵を子宮内に戻す不妊治療が、体外受精・胚移植(IVF-ET)。卵管の問題で不妊となっているケースの治療として始まったが、最近では男性側の因子の対策としても利用されている。

体外受精・顕微授精 (ICSI)
顕微授精とは、体外受精と同様に体外に取り出した卵に対し、顕微鏡で観察しつつ人工的に精子を直接注入する治療法。近年始まった新しい治療法だ。

卵子を誘発剤により複数作り採取(採卵)・採精・受精と培養・胚移植(分割卵の子宮内移植)の、4つの過程を行う。

排卵誘発剤
排卵障害がある場合、原因不明の不妊などで、名前のとおり、排卵を誘発するための薬を使用する。体外受精で排卵数を増やすためにも利用。卵胞を育てて採卵する。セロフェンSerophene、クロミッド(クロミフェンClomiphene またはクロミドClomid)などが、よく知られている。

外科手術
不妊の原因として、子宮内膜症などが考えられるとき、ラパロ(腹腔鏡手術 laparoscopic procedure)や子宮鏡検査(ヒステロスコピーHysteroscopy)などの、手術を行う。

代理母・代理出産
タレントの向井亜紀さんが、双子を得て有名になった代理出産。精子と卵子を顕微授精させ、受精卵を協力者である代理母に着床させて、妊娠、出産する。卵巣で卵子はできるものの、子宮が妊娠できる状態でない場合などに利用する。癌や子宮筋腫、子宮内膜症などで子宮を摘出しなければならないケースで、卵子を凍結保存して行うこともある。

代理出産をするのは、家族や友人、あるいはエージェントで見つけた代理母となる。カナダでは代理出産は簡単かと言うと、そうではなく、4から5万ドルの費用がかかるとされているほか、全くの他人に出産してもらうとなると、候補を見つけるのは難しい。カナダでは代理母が報酬を受けるのを禁じている。

 

基本となるIVFとICSIの費用(目安)

上記が基本で、さらに精子や胚を凍結するなど、どのように治療を行うかで、費用もかかる。目安として挙げたが、3つの不妊治療機関で、基本料金に何が含まれているか多少異なる可能性もあるので注意したい。

不妊治療のテストの費用は上記に含まれていないが、MSPの負担があるものも多い。

「年齢が進むと、妊娠の可能性は低くなります。1年間、トライして、妊娠しないようなら、早めに相談してください」(Genesis Yuzpe医師)


(取材 西川桂子)

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