2019年10月3日 第40号

頭がオオカミで身体が人間という“5匹”組の日本初人気ロックバンド、MAN WITH A MISSIONが9月23日、ブリティッシュ・コロンビア州バンクーバー市のThe Imperialでライブを開催した。今号では、そのライブの模様をお伝えする。

︎©酒井ダイスケ

 2018年6月発売のアルバム「Chasing the Horizon」が自身最高順位となるオリコン週間アルバムランキング2位を獲得した、MAN WITH A MISSION。2018年9月から始まった「Chasing the Horizon World Tour」は、日本、アジア、ヨーロッパを巡り、今年9月から単独としては約5年ぶりとなる北米ツアーに突入。9月6日のサンフランシスコを皮切りに、ロサンゼルス、ダラス、メキシコシティ、ニューヨーク、さらにシカゴ、トロントの追加公演を経て、全12カ国、50都市、54公演の最終公演としてバンクーバーに降り立った。

 19時の開場時間を前に、会場であるThe Imperial 前にはすでに長蛇の列ができていた。受付前には物販が設営されており、ツアーTシャツなどが販売されていたが、ライブ開始前にはほぼ売り切れ状態となり、ライブハウス内もすでに熱気にあふれていた。会場には日本人のファンたちも駆けつけていた。 本ツアーの日本追加公演ではアリーナツアーも行った彼らのパフォーマンスを、これほど近くで見られることなど滅多にない。日本人のファンたちの会話からはまさにそんな感嘆の声が聞こえてきた。 

 サウンドチェックが始まると、その中にはギター担当のサポートメンバーE.D.Vedderの姿も。パーカーを深く被り、白塗りのマスクが特徴の彼の登場により、会場のボルテージはさらに高まっていく。

 狼たちがステージに現れた瞬間、悲鳴にも似た歓声が会場内を覆い尽くした。最初に選ばれたのはアルバム「Chasing the Horizon」の1曲目でもある「2045」。重厚なミクスチャー・サウンドが響き渡るとともに、バンクーバー公演の始まりを告げた。オーディエンスは音と共に前へ前へと押し出されていく。フロアが一体となって両腕を突き上げ左右に振り、ハンドクラップがより一体感を高めた。

 「database」ではハイテンポなサウンドから、Jean-Ken Johnny (ギター、ボーカル、ラップを担当)がラップでオーディエンスを煽り、サビでは会場一体となっての大合唱となった。

 続く「Hey Now」では、曲の途中にオーディエンスを座らせ、合図とともに全員がジャンプし、ボルテージは最高潮に。

 「Winding Road」「Take Me Under」では、日本語の歌詞パートがあるにもかかわらず、カナダ人のファンたちも自然と歌詞を口ずさみ始め、すでにこの瞬間に彼らの音楽が国境を越えて浸透していると思い知らされた。

 ライブ中盤には、DJ Santa Monica(DJ、サンプリングを担当)とSpear Rib(ドラムを担当)だけがステージに残り、スペシャルセッションが始まる。DJとドラムのパフォーマンスを交互に披露し会場を沸かせた。 最後にはオーディエンスにお辞儀。圧巻の、そして愛嬌たっぷりのパフォーマンスであった。

 その後登場したのは、Jean-Ken JohnnyとE.D.Vedder。完璧な英語でオーディエンスに挨拶し始まったのは、 アルバム表題曲「Chasing the Horizon」のアコースティックバージョン。先ほどまでの雰囲気とは打って変わって、会場全体が彼の歌声、アコースティックギターの音色に耳を傾け聴き入った。

 狼たちは再び全員がステージへ。Jean-Ken Johnnyは日本人ファンからの「暑い?」との質問に「暑イデス」となぜかカタコトで返答。カナダ人ファンからの声援には、またもや流暢な英語でレスポンス。MCでも会場を沸かせていた。

 ライブ終盤ではアメリカ合衆国出身のロックバンド「NIRVANA」の代表曲「Smells Like Teen Spirit」のカバーを披露。8月29日発行の本紙掲載インタビューでも、Jean-Ken Johnnyは影響を受けたアーティストとして真っ先に「NIRVANA」の名前を挙げていた。原曲のリスペクトもしつつ、AメロにJean-Ken Johnnyのラップを被せるハイテンポな仕上がりでMAN WITH A MISSIONらしいアレンジを見せてくれた。

  続くは「FLY AGAIN 2019」。セルフリメイクされた彼らの代表曲は、今年日本ドラマの主題歌にもなった。この楽曲では、サビになるとオーディエンスが両手を左右に振り、会場の一体感は最高潮に。そのまま、こちらも人気アニメのタイアップでも話題を呼んだ、壮大な世界観の楽曲「Seven Deadly Sins」でラストを迎えた。サビで「Wow oh oh oh oh oh」と叫ぶ場面はまさに狼の遠吠えようだった。最後を飾るにふさわしいナンバーであった。

 彼らが退場し、空になるステージ。拍手は鳴り止まない。すると突然、日本語で「アンコール!アンコール!」とコールが始まった。カナダ人ファンたちも見よう見まねで、日本語発音のアンコールを叫ぶ。狼たちは歓声の中、再びステージへ。クールなロックナンバー「Dead End in Tokyo」では大都市、東京の表と裏を歌い上げ、「Raise your flag」では、カナダ国旗を携え、オーディエンスとシンガロング。そして約2時間におよぶライブの幕が下りた。 

 彼らのパフォーマンスは本当に素晴らしかった。ライブなしでは彼らを語れない。クオリティもさることながら、彼らのエンターテイメント性、個性は他のロックバンドにはない、アイコニックなものだ。

 今回のライブは、ファンにとってとても貴重な体験になったといえる。彼らとの距離がとても近かったことも理由の一つだ。今や日本のロックシーンを代表するロックバンドMAN WITH A MISSIONとこの距離感で熱狂できることは、海外でも、今後はさらに貴重な体験になるだろう。Jean-Ken Johnnyは最後、また戻って来ると高らかに宣言していた。バンクーバーのファンは今からそれを心待ちにしている。

(取材 松田尭峰)

 

︎©酒井ダイスケ

 

︎©酒井ダイスケ

 

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