2018年6月28日 第26号

「ただの経由目的ではなく、観光目的地としても訪問していただきたい!」という熱い願いとともに、中部国際空港(別名「セントレア」)が主催する “Explore Central Japan Seminar 2018”が6月18日月曜日の夕方、ブリティッシュ・コロンビア州リッチモンド市にあるヒルトン・バンクーバーエアポートホテルで開催され、バンクーバーの旅行関係会社を中心に多数の人が出席した。

日本を訪れるカナダ人は2012年から毎年着実に増加している。それには近年のエア・カナダ・ルージュ航空によるバンクーバーー関西便就航や、昨年から新規就航されたバンクーバーー名古屋便などの影響もある。しかし外国人消費動向調査からも示される通り、訪日観光客が滞在する地域はやはり東京、京都、大阪を占めている。(参考資料:JNTO訪日旅行誘致ハンドブック2017)

こうした傾向をふまえて、他の地方への経由地として多用される中部国際空港は、名古屋近辺も観光地として他に劣らない、素晴らしい観光スポットがたくさん存在するデスティネーションであることを強くアピールするために、今回のイベントを計画した。

 

会場の出席者も参加させる名古屋おもてなし武将隊パフォーマンス。岡井朝子在バンクーバー日本国総領事も参加した(写真提供:H.I.S.)

 

観光局代表による地方の観光スポット紹介

 イベントのすべてのプログラムは英語で行われた。能弁なマーク・ハシモト氏が行う司会を通じて、イベントは岡井朝子在バンクーバー日本国総領事のあいさつで始まり、エア・カナダのプレゼンテーションでバンクーバー−名古屋間の運航による説明が行われた後、地方それぞれの観光局からの代表者がスクリーンに映し出される写真とともに各地の概要、また、おすすめスポットの紹介を行った。

 

歴史豊かな愛知県

 愛知県と言えば、徳川家康が築城した名古屋城や、室町時代からある犬山城といったお城や、桜の名所で知られる山崎川四季の道といった、訪日する外国人が一番見たいとされる名所がたくさんある。

 

自然あふれる岐阜県

 自然やアウトドアが好きな方には、飛騨のある岐阜県がおすすめ。世界で有名な白川郷や高山があるのも岐阜県。新穂高ロープウェイでハイキングや、世界遺産である白川郷の合掌造り集落などで江戸時代にタイムスリップする気分は岐阜ならでは。

 

ロマン漂う三重県

 三重県は伊勢神宮や夫婦岩で有名な二見玉腰神社のほか、真珠で有名なミキモト真珠島で海女の実演を見たりすることができる。

 伊賀流忍者でおなじみ伊賀上野も、海外からの訪問者には外したくないスポットだ。

 

ブロガーによる日本体験談紹介

 実際に旅行するカナダ人から中部地方はどう映る?そんな質問への答えを用意していたかのごとく、次のプレゼンターは旅行・ファッションブログライターとして活動するサマンサ・シトーさんとアリシア・ハックさん。二人でテンポよく中部地方観光スポット訪問レポートを、スライドを含めながら行った。サマンサさんはミキモト真珠島で84歳の現役海女に会った話や、郡上踊りで苦労した体験談を話した。アリシアさんからは犬山城を訪問した際に着物の着付けをしてもらい、体中が縛られた気分がしたことなど、女性の観点から見た訪日の楽しみ方も聞くことができ、日本への旅行をカナダの人たちに勧める上での貴重な情報となった。

 

名古屋にちなんだメニュー試食会

 そんな観光情報をたくさん聞くことができた後、司会のマーク・ハシモトさんは「名古屋めし」で総称される名古屋名物料理を紹介した。

 うなぎご飯とお茶漬けをミックスした「ひつまぶし」をはじめ、定番の味噌おでん、みそカツ、手羽先唐揚げ、また小倉あんをトーストとマッチさせたアイデアメニューの「小倉トースト」など、聞くだけでお腹がすきそうな名前が紹介されると、これらのメニューが試食できると聞いていた会場の人々は大喜び。岐阜県の日本酒などを試飲する機会もあり、出席者全員が中部国際空港による「おもてなし」精神を文字通り味わう和やかなイベントとなった。

 

名古屋おもてなし武将隊によるパフォーマンス

 そしてイベントの最後を飾ったのは名古屋で主に活動する「おもてなし武将隊」によるパフォーマンスだった。小兵と将軍(徳川家康)に扮したパフォーマー二人が、堪能な英語を用いて日本の文化を紹介しながら、軽いチャンバラとダンスを交えたパフォーマンスで会場をにぎわした。

 最後まで会場にいる出席者を退屈させることなく、楽しい司会、コンテンツたっぷり、しかもお腹まで満たしてくれるという、うれしいおもてなし三昧のセミナーで、出席者は満足気にイベントは成功に終わった。

(取材 亀谷長政)

 

中部地方の観光局提供の資料の配布(写真提供:H.I.S.)

 

伊賀の忍者も時折登場!

 

中部地方観光レポートをするサマンサ・シトーさん(左)とアリシア・ハックさん(右)(写真提供:H.I.S.)

 

名古屋めし代表ともいうべき「ひつまぶし」(写真提供:H.I.S.)

 

会場の出席者も参加した「郡上踊り」(写真提供:H.I.S.)

 

名古屋おもてなし武将隊のパフォーマンス(写真提供:H.I.S.)

 

名古屋おもてなし武将隊(写真提供:H.I.S.)

 

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