ミニレッスン付きバースデー・パーティーも好評

女性の参加者もいるアダルト・クラス(写真提供:Academie Duello)

騎士になるには
剣さばきが出来るだけでは騎士になれない。中世ヨーロッパでは、男児は7歳ごろから領主の城に住み込み、手伝いをしながら礼儀作法や技術を身につけた。この階級を小姓(ペイジ)という。10代で従騎士(スクワイア)となると、剣などの武具を用いた技術修得のほかに精神的、肉体的な訓練を積み、武器の修理や戦い方を学んでいった。
 20歳前後で一人前として認められると、待望の儀式に臨む。これはひざまずく者の肩を君主や領主が長剣の平で叩き、騎士叙任の宣言と誓いの言葉を交わすというもの。
君主から騎士として認められる儀式
騎士の規律と
剣さばき
中世の騎士道を学べるのが、ダウンタウンにあるアカデミー・デュエロだ。インストラクターのひとりデボンさんはテレビや映画出演、アクション指導もこなすこの道のマスター。週2回のコースや週末の1日講座など、レベルに応じて剣さばき(Sword Play)を修得することができる。 
 自分でデザインして色を塗る盾作り(アート)、中世の歴史や習慣を学び(社会)、剣やアーチェリーの技術を身につける(体育)などBC州の教育課程を取得できることから、ホームスクールで学習する子どもたちが昼間のコースを取ることも多い。
 なかでも人気のプログラムは、春休みと夏休みに行われるナイト・キャンプ(Knight Camp)だ。1週間単位のデイ・キャンプを通して、子どもたちはJustice (正義), Integrity(誠実)、Virtue(美徳)など騎士道の規律を学び、各階級へ昇級していく。圧倒的に男子が多いが、女子の参加者もいる。アーチェリーやファルコンリー(鷹の訓練法)が体験できることも好評だ。
 最終日に行われるのが、ナイト・キャンプのクライマックスともいえる各階級への叙任式とトーナメント。保護者も一緒に観戦しながら「ハザー!」と応援の掛け声をかけ、大人も子どもも臨場感、達成感でいっぱいになる!

 

ナイト・キャンプ(Knight Camp):

春休みと夏休みに行われる8歳-14歳対象のデイ・キャンプ。
月曜から金曜の10時から3時半まで。$299 + HST
ユース、アダルト・クラスほか、企業向けイベント、バースデーパーティーも可。
Academie Duello

412 West Hastings Street
Vancouver, BC V6B 1L1
電話( 604) 568-9907

www.learnswordplay.com

 

華麗に矢を放つ アーチェリー
壮大なファンタジー『ナルニア国物語』のスーザンのように、華麗に弓矢を放ちたい。そんな憧れへの第一歩がロイヤル・シティー・アーチャーズだ。ニューウエストミンスターのオールド・タウンにある古い建物の階段を下ると、ベースメントを利用した長い射的スペースでレッスンが行われている。
 初心者から上級者までが並んで弓矢を放ち、その横でディレクターのミュリエルさんが指導にあたる。アーチェリーのいいところは、人と競争するのではなく、自分への挑戦という点だろう。指定日にスコアをつけ昇級していけば、BC州アーチェリー協会主催の地区大会や州大会出場という道も開かれる。
 屋外練習場バーナビー・アーチャーズを利用して、趣味として長年アーチェリーを続ける人たちも多い。
的の直径は初心者で80センチ、上級者で40センチ
Royal City Archers

426 East Columbia St.
New Westminster, BC V3L 3W9
電話 (604) 525-3424

www.thearcher.comからClubs & Rangesで検索

年間メンバーシップ(9月から6月まで)
ロイヤル・シティー・アーチャーズ$56及び
BC州アーチェリー協会$40を購入した上で、
レッスンは週1回$15(レンタル料$7を含む)
Burnaby Archers

Joe Sakic Way and Kensington Ave,
Burnaby, BC(バーナビー・スポーツ・コンプレックに隣接)

年間メンバーシップ(ひとり$40.00 ファミリー $60)を払い、セルフサービスで使用する屋外練習場

 

騎士道に没頭した少年と家族を描く
『A Perfect Gentle Knight』 Kit Pearson(キット・ピアソン)著
『A Perfect Gentle Knight』
Kit Pearson(キット・ピアソン)著
(Penguin Books Canada, 2007)母を失った悲しみから抜け出せずにいる6人の兄弟姉妹。現実から逃避しようと、長男セバスチャンが妹や弟を相手に始めた秘密の騎士ごっこ。ところが次第に現実と幻想の世界の区別がつかなくなりエスカレートしてしまう…。
 舞台は1950 年代のバンクーバー。ショーナシーの古い邸宅、UBC教授の父、カリスデールのプール、ホテル・ジョージアでお茶、など身近な場面設定に親しみを感じる1冊。
 日本語版はないが小学校中・高学年向けの英語なので、ぜひお試しを。

 

(取材 ルイーズ阿久沢)

 


読者の皆様へ

これまでバンクーバー新報をご愛読いただき、誠にありがとうございました。新聞発行は2020年4月をもちまして終了致しました。