バンクーバー朝日軍のホームグラウンドで夏祭り!

第39回パウエル祭

 

今年で第39回目となるパウエル祭が8月1日と2日にわたって開催された。The Powell Street Festival Society(PSFS)による日系カナダ人のアートと文化を祝うこのお祭りも、今年はメイン会場が恒例のオッペンハイマー公園にもどり大盛況となった。

  

バンクーバー楽一によるお神輿

 

暑さに負けないオープニング

 8月1日の朝は太陽がいっぱいの炎天下。それでもバンクーバー・イーストサイドにあるオッペンハイマー公園に続々と人が集まってきた。11時を過ぎると、木陰が少ない公園中央のダイヤモンド・ステージの周りが一層にぎやかになった。開会式の幕開けはスコーミッシュ・ネーション族のボブ・ベイカー氏と、トレイル・ウォトゥス・ネーション族のマーガレット・ジョージ氏による先住民族の祝福の儀式。バンクーバー新朝日軍のユニフォームを着た在バンクーバー日本国総領事岡田誠司氏は、「バンクーバーで最も古く、カナダ国内で一番長く開催されているこの伝統あるお祭りが、旧日本人街、しかも旧バンクーバー朝日軍のホームグラウンドだったオッペンハイマー公園で開催できて素晴らしい」と、パウエル祭関係者に祝辞を述べた。パウエル祭協会新会長のコリン・チャン氏も「今年は250人以上のボランティアがいます。はちまきをしている彼らにハイ・ファイブをお願いします」「催し物は全て無料、食べ物も安く提供しているので、できるだけ大勢の人に楽しんでもらいたい」と開会挨拶を述べた。また、映画『パウエル通りの日系ストーリー』や、同時開催された広島原爆の写真展についても紹介された。

 

日本食はいつも大人気

 公園と日本仏教会の間のジャクソン通り沿いは歩行者天国となり、日本の夏祭りならではの食べ物屋台が並んだ。開会式が終わると同時に行列ができて「今日は朝ごはんを食べないで来たんです」という男子学生や、「一番長い列のところがオススメです」と言ってくれたボランティアの女の子がいた。確かに鉄板焼きそばは人気で早くから長蛇の列ができ、新朝日軍のメンバーによる屋台も目を引いた。ラーメン、ホットドック、ハンバーガー、いなり寿司、冷やし中華、たこ焼き、どら焼きなど、ピクニックマットに座ったり、立って食べる人も多かった。また日中は温度が高く、「本当に暑いですね」という声が多く聞こえた。バンクーバー市が提供したウォーターステーションで持参のボトルに水を汲む人、またボトルのない人たちのために用意された麦茶やアイスコーヒーも飛ぶように売れ、外でとうもろこしの皮をむく男性たちの姿を見て思わずとうもろこしを買い求める人たちもいた。

 公園内にはインフォメーション・ブース、ボランティア・ブース、コミュニティ団体のブースが入場者の質問に丁寧に答えていた。子どもテントでは大きな机の上に折り紙などの工作アートが並び、スイカ割りや朗読もあった。25点以上のクラフト販売のブースではウルトラマンのフィギュア人形、和の布で作られた小物たち、お面、ヨーヨーなどが夏祭りを演出し、暑さのためかき氷を求めるカナダ人の姿もあった。

 

豪華なエンターティンメントでおもてなし

 ダイヤモンド・ステージでは開会式の他に、バトン・ポンポン、ベリーダンス、日本舞踊など、主に女性による美しい演技が見られた。ステージ近くに設けられたシニア・テントの椅子から身を乗り出して楽しそうに見ているシニアたちの姿が印象的だった。

 ステージ横のデモエリアでは合気道、柔術、居合道、空手など、人気のマーシャルアートが人々を魅了した。大勢の担ぎ手が神輿を激しく揺さぶることで人々に幸運を引き寄せられるといわれるバンクーバー楽市によるお神輿も、威勢良い掛け声とともにオッペンハイマー公園内を練り歩いた。神輿が終わった後でも笛の音が聞こえて、お祭り情緒を感じさせた。

 ジャクソン通りを下がった突きあたりに設けられたジャクソンステージ。この日は威勢の良いちび太鼓から始まった。お昼を過ぎるとムードはガラッと変わり、コラサオ・ボエミオによるボサノバ音楽が奏でられた。このトリオ結成のきっかけはパウエル祭だったそうだ。このステージではDJダンスやアニメ・エボリューションのショーも催された。他にもファイヤー・アート・ホールでのアーティストのショー、仏教会での生花、本堂参拝や、日本語学校での映画、展示など、1日あっても全てを回れないほどだ。

 

オッペンハイマー公園の課題

 バンクーバーのダウンタウンに座り込み一時的な野宿をする若者たちと違い、オッペンハイマー公園周辺には仕事も家もない本当のホームレスたちがいる。ほとんどの人は夜が危険なため、昼の間に睡眠をとる。今回、来場者たちの間でぐっすり眠るホームレスたちの姿が見られた。若いホームレスの女性2人も捨てられたソファーの上で交代で寝ていた。「僕の写真は撮らないのか」「お腹が空いた」と手をふったり、独り言のように話しかけてくる男性たち。使用されていなかった古いビルやホテルが売買され、立ち退きを強要された人、政府から一時住まいの補助金をカットされ住む場所のない人、天気が良いため他の州からやってきた人など、様々な理由で毎年ホームレスの数が増えていて、バンクーバー市の課題となっている。

 しかし、この日たくさんのボランティアによるZERO WASTE キャンペーンが徹底して行われ、ゴミの分別、回収がとてもスムーズに行われた。オッペンハイマー公園も久々に歴史的なスポットライトがあたり、パウエル祭は今年も大成功で幕を閉じた。

(取材:ジェナ・パーク、写真:中村みゆき)

 

新朝日軍が担当する屋台

今年も盛況な屋台

 

音羽流 日本舞踊会

人気のヨーヨーすくい

Ten Ten and Ryuzen

バンクーバー沖縄太鼓

着物姿でヨーヨーすくいを楽しむ女の子

 

綱引き

カナダ全日本糸東流空手道正晃会によるデモンストレーション

キーボード奏者、ニホ・タカセさん

ロッテリー当選者の発表

 

ソウル太鼓

西川流ー彩月会(さつきかい)の舞踊 (写真提供 彩月会)

さくらシンガーズのステージ (写真提供 さくらシンガーズ)

 

読者の皆様へ

これまでバンクーバー新報をご愛読いただき、誠にありがとうございました。新聞発行は2020年4月をもちまして終了致しました。