2017年4月20日 第16号

在バンクーバー日本国総領事館公邸料理人

大谷拓也シェフ

西洋料理〜特にフレンチが専門

 

大谷拓也シェフ

 

岡井朝子在バンクーバー日本国総領事と夫君の岡井知明氏の多忙な毎日を食で支える公邸料理人、大谷拓也シェフ。食は外交上においても、大切な要素だ。メニュー作りから食材の仕入れと調理をこなす大谷シェフに話を聞いた。

いつから料理に興味を持ったのでしょうか?

 小さい頃から料理が好きでしたが、高校生のときに調理学校の講師の方が課外授業で来られ間近でレベルの高い料理を見せてもらい、より興味が増しました。

どのように修行しましたか?

 調理学校は、そのときの講師が勤める辻学園に決めました。就職は専門的に料理ができる街場のレストランも考えましたが、幅広い知識や経験ができるホテルの方がよいと考えました。そのなかでも100年以上の歴史をもつ帝国ホテルで働きたいと思いました。

専門について教えてください。

 帝国ホテル大阪では西洋料理を専門とし、その中でもフレンチを中心に修業を積みました。フランス料理の世界ではまだまだ日本人の評価は高くないと思ったので、もっとフランス料理を勉強したいと思いました。

料理人をしていて思い出に残ったことはありますか?

 ホテルで働いていたときは、海外からのお客さまが増え徹夜をして働くこともよくありましたが、自分の考えた料理が形になったときは、うれしかったです。

公邸料理人に応募した理由を教えてください。

 公邸料理人の存在や制度については「専門料理」の広告ページなどで知っていました。海外のレストランで活躍された方の話を伺い自分も挑戦してみたいと思っていたときに、日本のテレビで公邸料理人のドラマを見たのが大きな理由です。

 採用に関しては、岡井総領事の旦那さまが大阪に来られて面接をしていただきました。その際、料理の写真を何枚か持って行きました。

総領事主催晩餐会などでは、どんなことを心がけて料理していますか?

 料理の味はもちろんですが、見たときにかわいいと思っていただける料理を心がけています。また、段どりよくスムーズに料理をお出しできるように努めています。

岡井総領事ご夫妻にどんな食事を作っているのでしょうか?

 平日、ご公務のないお昼は岡井総領事にお弁当を作ってオフィスに届けてもらっています。総領事ご夫妻の普段の夕食は、できるだけ野菜を多くとれるよう心がけています。また、総領事は麺類がお好きなのですが、夜には召し上がらないので、週末のお昼はパスタなどの麺類を作るようにしています。

バンクーバーのレストランの印象は?

 和食レストランは伝統的な和食から少しカナディアン向けにアレンジされたものもあり、とてもおもしろいです。カナダのレストランではシーフードなどがおいしく、興味深いです。

バンクーバーでお勧めの食材があれば教えてください。

 バンクーバーはサーモンが有名ですが、豚肉がおいしいと感じています。公邸でも、もっとお出ししようとメニューを考えているところです。

(取材 ルイーズ 阿久沢)

 

大谷拓也(おおたに・たくや): 大阪出身。ホテルの老舗『帝国ホテル』で長い間経験を積んだあと、2016年、岡井総領事赴任に伴い公邸料理人としてバンクーバーに赴任。 趣味は読書。

 

ビーツのポタージュ

 

チキンのテリーヌ

 

八寸(タコのやわらか煮、ナス田楽、子持ち昆布、プチトマト梅酒づけ)

 

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