Photoby:GorkaArco/www.gorkarcophoto.com

プロフィール:1993年生まれ。バンクーバー在住。高校時代よりショート・フィルム作成などのアート活動を始め、アート業界紙への執筆などもこなしている。2012年より1年間スペインのバルセロナのアート・スクールに留学。カナダに帰国後もさまざまなアート作品の展示会に参加して活躍中。9月21日にGlitz Entertainmentによる、バンクーバーのアーティストたちのさまざまなアート作品の展示会 Lab Art Show 3が開催された。このショーでミキさんのショート・フィルムの上映も行われた。

日系のミキさんのルーツは?

 父方の母(祖母)の家系は鹿児島出身で、学者や医師など日本に西洋文化をもたらしました。父方の父(祖父)は長野県に住んでいた日系フィンランド家庭で、古代中国の学者でした。私の父は日本からやってきて、バンクーバーで通訳や翻訳をしています。母の家系はインド系です。

現在のアート活動は?

 私がバンクーバーのアート・シーンで好きなのはその背徳的なところ。なんでも自分でやってしまうという本能的に経験される特有の感情的な雰囲気が気に入っています。十代の頃に初めての自分の個展を地元の写真家と共に前衛的な音楽の場で開催しました。その後、アート・スクール留学していたスペインのバルセロナや、ここバンクーバーでさまざまなアートの展覧会に自作のショート・フィルムの参入をしています。

ミキさんの日本の思い出は?

 私の日本の思い出は朧気なのですが、都会の風景の中に標識灯を孕んだネオンが点々と輝く灰色の街道が何か忘れ難いものとして残っています。町はとても美しかった。そして、日本のストリート・ファッションはとても印象的でした。特に原宿!東京のファッションの光景はとても豊かな視覚的な景色として刻まれました。そのせいか、今でも私はファッションにとても興味を持っています。

ミキさんの日系人としてのアイデンティティーは?

 私は幼い頃に日本からカナダに移住してきたので、カナダの文化に素早く慣れ親しみました。そして、私は自分を日本、フィンランド、インドとさまざまな人種のミックスとして捉えているので、一つの人種に収まると考えたことはありません。
 さまざまな人種のミックスである私は、自然と国際的な物事の見方をしているように感じます。それは人間の精神の世界的な要素を吟味し、人種や宗教の境界線を超越している私の芸術的なあり方に非常に影響を与えています。

これからの抱負は?

 私は現在、自分のアート活動の実践にフォーカスしていて、たくさんのショート・フィルムやアート・オブジェクトを手掛けています。また、商業ファッションも学んでいて、将来的にファッション業界に進みたいと思っています。ファッションは私のアートに多大な影響を与えているので、デザイン・ハウスへのファッションのフィルム制作を通して、アートとファッションの世界の橋渡しをしていきたいです。
(取材 北風かんな)

読者の皆様へ

これまでバンクーバー新報をご愛読いただき、誠にありがとうございました。新聞発行は2020年4月をもちまして終了致しました。