2020年2月13日 第7号

バンクーバーの音楽シーンに新たな色彩を放つNoriko Jazz Bandが1月26日、シルビアホテル・バンクーバーのステージに再び登場した。小気味よいリズムを刻むスイングから、甘くせつないバラードまで得意のナンバー21曲を披露。そのうち2曲には中高生奏者二人をステージに迎えた。そこにある思いは何か。

パフォーマンス好きで、日々一生懸命練習を重ねている子どもたちに機会を提供してみたいと思い、縁のあった中高生を招きました。人前での演奏経験は勉強になり励みになりますから。今回、多くの観客の皆さんに喜んでいただけたので互いにウィンウィンだと感じました。

 

落ち着いたホテルの雰囲気にマッチしたスタンダードな曲を披露

 

−Norikoさん自身、若い時からステージに上がっていたそうですね。

 はい、私は3歳からステージに立っています。ステージではそのパフォーマンスをどれだけ自分のものにできるかに集中するようにしています。その時々の結果を直視するのは辛いこともありますけど続けることが大事ですね。

−観客から「Norikoは情熱的で堂々として自信に満ちている」と感想が聞かれました。

 私にとってステージはもう夢中になれる人生の一部。一つの作品を作り上げるプロダクション的なことが好きなんですよね。日本にいた時代からプロのダンサーとしても経験し、こちらのナイトクラブでのショーなどでも歌ったり踊ったりを普通にやってきました。プロデューサーからは「ステージはそこにいることが許されている人のもの。観客は素人を見に来ているのではない」と指導されてきました。自信のない人がステージに立っちゃいけないし、なくてもあるように見せることは大事なんですよね。

−今回のステージでの曲選びのポイントは?

 近日中にリリース予定の新しいEPの曲を含めたジャズスタンダードに加え、いつも喜ばれる定番のカバー曲をプラスしました。ビートルズの曲や映画ジェームズボンドの挿入歌でもあるアデルの『スカイフォール』、シャナイア・トゥエインの『ザ・ウーマンインミー』、そしてキャロル・キングの『イッツ・トゥー・レイト』は特に人気ですね。そして、スキャットする感覚で、ジャズスタンダードに日本語歌詞を混ぜて歌ったりしました。「ものすごく新鮮に聞こえる」という感想をよくいただくんですよ。たくさんのアーティストの中で、私たちは「記憶に残るバンド」になりたい。そしてこれから音楽をやりたい若い人の力にもなりたいんです。  

 

 Norikoさんが音楽活動にいっそう注力するきっかけとなったのは3年前の脳のケガにある。音楽による癒しの力を体感すると同時に、限りある命を強く意識するようになった。現在作成中のファンクジャズアルバムのタイトルは『リ・ディスカバリー』。カバー曲(カバー)、復活(リカバリー)と、新たなバンドメンバーによる新しいハーモニーの発見(ディスカバリー)の3つの意味を込めた。バンクーバージャズ界重鎮Miles Blackも収録に参加。今後、リリースコンサートが予定されている。ウェブサイトnorikojazz.com やSNS @norikojazz333から試聴や情報参照が可能だ。

 

Noriko Jazz Bandの皆さん (後方左から)Toddさん、 Emilioさん、Coleさん、(前方)Norikoさん

 

ボルドー色を思わせるNorikoさんの深く伸びやかな歌声が魅力

 

読者の皆様へ

これまでバンクーバー新報をご愛読いただき、誠にありがとうございました。新聞発行は2020年4月をもちまして終了致しました。