2019年11月7日 第45号

11月7日より、Silk Weaving Studio(1531 Johnston St, Granville Island)にて、のれん作品の展覧会が開催される。出品者は、染織家の加納容子さんと一穂さん(岡山県真庭市勝山 ひのき草木染織工房)。展覧会の開催にあたり、事前に話を聞いた。

 

ひのき草木染織工房内観。工房兼ギャラリー

 

○日本ではどのような活動をしていますか?

 全国各地からのれんのご注文をいただき、お客様のご希望を伺い、デザインを起こし、独自の絞り染め技法で制作しています。また、NPO勝山町並み委員会のメンバーとして、町並みに住む人々がどうやったら楽しんで暮らしていけるか、試行錯誤しながら活動しています。

○のれん制作を始めたきっかけは何ですか?

 勝山町並み保存地区内にある明和元年(1764年)に建てられた実家が、酒屋を営んでおりました。そこにのれんを掛けたら似合うかなと思って、掛けたのが始まりです。

○バンクーバーで展覧会を開催することになったきっかけは何ですか?

 Silk Weaving Studioで働いていた日本人の方との出会いがきっかけで、同スタジオの主宰者の方と知り合いました。2010年に当工房でSilk Weaving Studioの作品展を開催してから、行き来が始まりました。

○今回の展覧会へかける思いは?

 2012年にも同じように展覧会を開催しました。その時のバンクーバー滞在で見た景色や空気を思い出し、のれんを制作しました。多くの方に見てもらえればうれしいです。

○カナダという国、そしてバンクーバーの印象は?

 今回は特に、前回のバンクーバーでのことを思い出しながらのれんを制作しました。言葉ではなかなか表現できない部分を染めに託しているので、そういったところから感じていただけたらと思います。

○地元の活性化の為に普段活動されていますが、今回の展覧会にはどのような効果があると思いますか?

 地元の方にバンクーバーでの展覧会の話をすると喜んでもらえます。バンクーバーで見たものやあったことを話し、地元とも違う方面からもっと交流が続けばいいと思います。

○加納さんにとって、のれんとは?

 絵のようにただ飾るだけでなく、生活の中に取り入れて、身近に置いて使ってもらえるものです。のれんというものに出会えたことに対して喜びを感じます。

○最後に何か一言いただけますか?

 7年ぶりにバンクーバーでのれんの展覧会が開かれることになりました。皆様に作品をご覧いただけることを楽しみにしております。

 

 展覧会の開催期間は11月7日(木)から11月24日(日)の10時〜7時。期間中は休館日なし。ぜひ、日本の伝統的な染織工芸を見に、足を運んでみてはいかがだろうか。

(取材 Koki Mizuta)

 

ひのき草木染織工房外観。この白丸ののれんから始まった

 

加納容子さん。香川県直島での一枚

 

読者の皆様へ

これまでバンクーバー新報をご愛読いただき、誠にありがとうございました。新聞発行は2020年4月をもちまして終了致しました。