7月4日、コロラドでのラピッズ戦から始まった遠征は、ラピッズにこそ1―0と辛勝したものの、7日ロサンゼルスでのチーバスUSA戦では0―0の引き分け、11日トロントFC戦は後半ロスタイムで2―2に追いつきながらも守りきれず2―3で敗戦。14日シカゴ・ファイヤーには0―1と惜敗した。
どれも圧倒された試合ではない。しかし、トロントは東カンファレンス最下位、チーバスは西カンファレンス7位といずれも下位チーム。シカゴは8勝6敗同士でほぼ互角。勝てない相手ではなかった。
4日のラピッズ戦は、ディビッドソンが警告3枚で出場停止、先月キャップスに移籍してきたロブソンが初先発し、4―2―3―1の布陣で臨んだ。これがうまく機能し、チーバス、トロントと同様の布陣としたが、マトックス、ハスリの出場停止、チュミエントの移籍などが重なり、もう一歩届かなった。
7月は7試合と過密スケジュールだが、残すは2試合。次のホームゲームは22日サンノゼ・アースクエイクス戦。今季はここまで2回対戦し、それぞれホームで勝ち1勝1敗。アースクエイクスは現在勝ち点40で西カンファレンス首位を独走している。

スコットランド代表ミラーの入団を発表

キャップスが活発なトレードを行っている。6月18日にスコットランド代表のMFバリー・ロブソンを獲得。7月11日にMFダビデ・チュミエントのスイス・スーパーリーグFCチューリッヒ移籍(移籍内容の詳細は非公開)、13日にはMFセバスチャン・レトゥとニューヨーク・レッドブルズのMFデーン・リチャーズの交換トレードを発表した。さらに、16日はスコットランド代表FWケニー・ミラーの獲得を発表。国際大会経験豊かなビッグネームが顔を揃えた。
ロブソンは7月4日のコロラド・ラピッズ戦でキャップス先発デビューを果たし、鋭いシュートを見せた。今月の遠征4試合すべてで先発出場している。
リチャーズはレッドブルズで6季目を迎えたジャマイカ代表。スピードが持ち味で、14日のシカゴ・ファイヤー戦で途中出場し、能力の高さを見せつけた。
16日に正式な入団記者会見を行ったミラーは、スコットランドを代表するエースストライカー。同国代表のキャプテンを務めたこともある。ロブソンとはスコットランド代表として一緒に戦っている。ミラーは記者会見で、「メジャー・リーグ・サッカー、そしてバンクーバー・ホワイトキャップスFCへの移籍をうれしく思っている」と語り、町もチームも素晴らしいと聞いていると挨拶した。
「ケニーのような経験豊かなストライカーをチームに迎えることができてうれしい」とレニー監督。「彼のスピード、エネルギー、運動量、どれをとってもチームにとって重要な役割を果たすことは間違いないし、後半戦に向けて力強い」と語った。
チームは現在4位を堅持。5位までが進出できるプレーオフに向け、強力な補強となる。特に得点力不足に悩むキャップスにとって、ミラーの加入は期待大だ。
15日にバンクーバー入りしたミラーは、16日には早速チームに合流し、練習に加わった。早ければ22日のBCプレースでキャップスデビューを果たす。
14日シカゴでの試合で、FWハスリが足首を負傷。骨に異常なしと診断されたものの、試合に出られるかは微妙な状態。残るFWは現在絶好調のマトックス。トロント戦では一人で2得点を挙げている。
遠征では4―2―3―1の布陣で臨んできたレニー監督が、3人のフォワードをどう使うのか。後半戦、キャップスファンにとって楽しみな試合が続きそうだ。
レニー監督もスコットランド出身。コーチ陣も同様で、BCプレースでスコットランド国旗が多くはためくのは間違いない。

 

今後のホームゲーム予定(BCプレース)

■7月22日(日)
4:00pm サンノゼ・アースクエイクス戦

 

(取材 三島直美)

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