2019年8月15日 第33号

8月11日、ブリティッシュ・コロンビア州ノースバンクーバー市のウォーターフロントパークで、千葉市・ノースバンクーバー市姉妹都市提携50周年を記念する式典が執り行われた。式典には、国際交流プログラムでノースバンクーバーに滞在している高校生、ホストファミリー、過去の参加者、関係者らが集まり、50年にわたる両市の友好関係を祝った。

 

国際交流プログラムの参加者のみなさんと、引率の小川雄太さん(右から2番目)と、池田憲昭領事(右端)

 

長く続く友好関係を祝う

 ウォーターフロントパーク内には、1986年に千葉市から贈られたチバガーデンという日本式庭園があり、式典はそのすぐ側で行われた。最初に、NAVコーラスが日本とカナダの国歌を斉唱、続いて来賓による挨拶へと移った。

 ノースバンクーバー市のティナ・フー市議会議員はリンダ・ブキャナン市長に代わって、両市の姉妹都市としての関係が50周年を迎えたことを祝う言葉を述べた。そして両市によるビジネス、観光、文化と広い分野での友好な関係が今後も継続、発展することを祈念した。次に、千葉市役所の山田啓志総務局長が、海を臨む美しい公園内に千葉市の名を冠した庭園があることを光栄に感じると話し、こうした場所で素晴らしい式典に出席できたことをうれしく思うと述べた。また、在バンクーバー日本国総領事館の池田憲昭領事は、両市の姉妹都市関係は現在も活発に継続されており、もっとも成功した姉妹都市の1つといえると話し、これまでの活動に貢献してきた関係者に謝辞を述べた。続いて挨拶したノース・ショア・ライオンズ青少年交流プログラムのジョージ・シム会長は、1970年から両市の高校生の国際交流プログラムを取りまとめており、参加した青少年が素晴らしい成長を遂げていくことを身近に見ることができる非常にやりがいのある活動だと述べた。今年、千葉市から訪れている学生たちの引率者として同行している小川雄太さんが、シム会長や関係者、ホストファミリーなどに感謝の意を述べ、こうした友好関係が長く続いてほしいと希望を述べた。その後、日本・カナダ商工会議所のサミー高橋会長代理が、この式典開催に尽力した関係者への謝辞を述べた上、チバガーデンの設計者である伊藤敏雅さんを紹介した。伊藤さんは、庭園設計の際のコンセプトの1つとして、千葉市とノースバンクーバー市という2つの流れが1つの流れとなることで、両市の友好関係を象徴するものとして表現したと説明した。

 スピーチの後には、和太鼓グループのテツ太鼓が、海に面した公園に響きわたる演奏を披露し、拍手喝さいを浴びた。続いて、晩香坡櫻會による神輿が担ぎ出されると、一緒に歩きながら拍子を取る人や写真を撮る人が集まり、活気あふれる光景に。地元千葉市でも神輿グループに参加しているという山田総務局長も飛び入りで参加した。この日はあいにくの雨模様であったが、そんな天候もものともせず太鼓と神輿で大いに盛り上がった。

 式典後、伊藤敏雅さんと、スティーブストンに造られた日系記念公園の造園に関わった小川隼人さんによるチバガーデン内のガイドツアーも行われた。

 

若い世代の文化交流

 千葉市とノースバンクーバー市による高校生の国際交流は、1970年に開始してから途切れることなく続けられている。これは毎年両市の高校生がお互いの市に約2週間滞在するというものだ。今年の8月5日から2週間、ノースバンクーバー市に滞在している5人の生徒と、引率の小川雄太さん(千葉市立有吉中学校教諭)は式典に浴衣姿で参加。小澤萌(おざわめい)さん(千葉県立千葉女子高校2年生)、森島愛美(もりしままなみ)さん(私立敬愛学園高校2年生)、加藤李理(かとうりり)さん(千葉市立稲毛高等学校1年生)、吉田唯葉(よしだゆいは)さん(千葉市立千葉高等学校1年生)、上野美鈴(うえのみすず)さん(私立江戸川女子高等学校1年生)は、市街散策やキャンプ、ハイキングなどのアクティビティーを通してホストファミリーなどと交流を深めているとのこと。8月6日には羽鳥隆在バンクーバー日本国総領事を表敬訪問した。両市の共通点や相違点などを若い感性でたっぷりと吸収し、現地の人たちと交流することは貴重な経験となるだろう。

 一方、カナダの高校生も8月6日から千葉市でホストファミリー宅に滞在、お祭りに参加するなどさまざまなアクティビティーを通して、交流を楽しんでいるとのことだ。

(取材 大島多紀子)

 

右から山田啓志千葉市総務局長、千葉市総務局市長公室国際交流課の東端真吾課長

 

ティナ・フー市議会議員

 

ジョージ・シム会長

 

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