2019年5月16日 第20号

晴天に恵まれた5月4日、バンクーバー生け花協会(VIA)主催『春の生け花展』がブリティッシュ・コロンビア州バーナビー市のアラン・エモット・センターで開かれた。 羽鳥隆在バンクーバー日本国総領事とユジュ夫人を主賓に迎えて池坊、華道すみ、山月流、草月流の代表者がリボンカットした後、約45点が一般公開された。

 

開会式でリボンカットをしたみなさん。(左から)VIA会長のジョーン・フェアーズさん、VIA創始者の角澪潮さん、羽鳥隆総領事、羽鳥ユジュ夫人、VIA創始者のボイコット清子さん、VIA創始者のロレーン・ウエストさん

 

菖蒲を用いて

 5月5日の端午の節句は菖蒲(しょうぶ)の節句ともいわれるように、強い香気で厄を祓う菖蒲やよもぎを軒につるし、菖蒲湯に入ることで無病息災を願ったもの。会場入り口には、こいのぼりを飾り『こどもの日』の説明が添えられた。

 テーマに合わせて菖蒲が多く見られた今回の作品展。羽鳥隆総領事は「素晴らしい作品の数々と、生け花を通した日本文化の紹介に感銘をうけております。設立54年の会のますますのご発展をお祈りします」と英語でスピーチした。

かぶとや調度品も

 かぶとと調度品を添えた作品(華道すみ)、御所車を土台にした花瓶に生けた作品(草月流)、3人がかりで菖蒲を生けた大作(山月流)、鉢に砂を入れて固定させて生けた『砂のもの』(池坊)など、それぞれに趣向と工夫がなされていた。

 2回行われた講習会(参加費20ドル)には計17人が参加。デモンストレーションやおりがみコーナーも好評で、ローワーメインランド国際おりがみ協会会員の土佐征子(ゆきこ)さんが、菖蒲やかぶとの折り方を参加者に指導した。

 VIAの会員は約80人。バンクーバー以外にも会員がおり、バーノン市在住のローズ・スコットさんもそのひとりで、生け花歴は20年。「花を生けると、心が安らぎます」と話してくれた。

(取材 ルイーズ阿久沢)

 

『砂のもの』(池坊作品)

 

かぶとと調度品を添えて(華道すみ作品)。かぶとは角澪潮さんの親戚がロス五輪の長距離陸上選手、津田晴一郎(せいいちろう)さんから譲り受けたものとのこと

 

3人がかりで菖蒲を生けた大作(山月流作品)

 

御所車を土台にした花瓶を使って(草月流作品)

 

おりがみでかぶとや菖蒲を作ってくれた土佐征子さん

 

読者の皆様へ

これまでバンクーバー新報をご愛読いただき、誠にありがとうございました。新聞発行は2020年4月をもちまして終了致しました。