2018年11月15日 第46号

リメンバランス・デーの11月11日、バンクーバー市のスタンレーパークにある日系カナダ人戦没者慰霊碑前で戦没者追悼式典が行われた。

 

日系カナダ人戦没者慰霊碑

 

 第一次世界大戦の終結から100年目になるこの日、同慰霊碑前には退役軍人やその遺族、関係者などが集まり、戦争で犠牲となった方々の冥福を祈った。

 午前10時30分過ぎから始まった式典は司会のゴードン門田氏の挨拶のあと、NAV(National Anthem Volunteer) コーラスによる「O Canada」が合唱された。

 そして金光教バンクーバー教会長のロデリィク・ハシモト氏によってスピーチがあり、トランペットが吹奏され参列者による黙とうが行われた。

 さらにバグパイプによる哀歌に続き再度トランペットが吹かれたあと、アイリーン・キタムラさんとデビッド・ミツイ氏の朗読があった。

 引き続き、各団体の代表者が慰霊塔下に花輪を献花した。最後に「God Save The Queen」が、NAVコーラスによって唱歌された。式典後、献花台には参列者らによってポピーのバッジが供えられた。

 式典は1時間ほどで終わり、その後はクラブハウスに移って軽食を取りながら、関係者によるレセプションが開かれた。

 今月赴任したばかりで参列した羽鳥隆在バンクーバー日本国総領事は「この重要な式典に間に合うようバンクーバーに赴任しました。日系カナダ人以外の参列者が多かったのは印象的でした」と語り、献花後に祈りを捧げていた。

 語学留学で日本から来た山之内楓さんは「ホームステイ先のホストファミリーの方から話を聞き、興味を持ったので来ました。日本に住んでいた時は、戦争時の日系カナダ人のことを意識したことはありませんでしたが、今日その歴史や文化を知ったことは良かったですし新鮮に感じました」と感想を述べた。

 同じく留学で来た市川綾乃さんは「たまたま式典があることが分かって参列しました。日系カナダ人のことには興味があったので、今日は戦争で犠牲になった方々のことを思いました。また式典会場に、若い日系カナダ人の人たちが多かったのは少し驚きでした。リメンバランス・デーをカナダの人たちが尊重していることを知ったので、日本に戻ったら終戦記念日などの行事を大切にしたいと思います」と語った。

 

献花団体

◎日系カナダ退役軍人 第9部隊
◎S-20及び二世在郷軍人会
◎全カナダ日系人協会
◎現退役軍人会
◎Hon. Hedy Fry, PCMP
◎第一次世界大戦 退役軍人会
◎在バンクーバー日本国総領事館
◎RCMP 王立カナダ騎馬警察
◎バンクーバー市
◎バンクーバー市公園管理局
◎バンクーバー市警察
◎日系文化センター・博物館
◎グレーターバンクーバー日系市民協会
◎隣組
◎バンクーバー日本語学校
◎BC浄土真宗仏教寺院
◎日系カナダ人キリスト教教会
◎生長の家
◎金光教教会
(敬称略・順不同)

(取材 古川透)

 

司会進行するゴードン門田氏

 

花輪を献花する羽鳥隆在バンクーバー日本国総領事

 

敬礼で哀悼の意を表する退役軍人

 

式典には退役軍人や多くの関係者が参列した

 

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