2018年10月11日 第41号

10月6日、バンクーバー市ビクトリアドライブにあるバンクーバー日系人合同教会ホールで、「第3回バンクーバー詩吟愛好者交流会」が行われた。主催は、バンクーバー新報社。開会の挨拶の中で、同社の津田佐江子社長が「この交流会の基本的な考えは、詩吟を愛好する人なら流派にとらわれずに誰でも個人として参加でき、ともに楽しみましょう、という趣旨で発足しました」と述べていたが、徐々に、この交流会の存在も知られるようになってきた。第3回を迎えた今回は、発表する“吟士”の数以上に、友人や、親族など合わせ約60人の参加者があった。

 

「日本岳心流」香坂博心師範

 

 日本からは、詩吟「岳心流」香坂博心師範も駆けつけ、特別参加。香坂師範は、作曲家猪俣公章の門下生でもあり、歌謡曲と詩吟を合わせた新スタイルの『歌謡吟』で沖田総司の歌を披露した。また、ハワイから2名、ロサンゼルスからも1名参加者があり、交流の和は、ボーダレス化が進んでいるようだった。

 さらに、詩吟愛好者の和をもっと広げようと、異なる分野のパフォーマンスも歓迎したにぎやかなプログラムでの交流会となった。勇壮な「沖縄太鼓」、モンゴルのアルタイ山脈周辺の民族に伝わる特殊な歌唱法の「アルタイスロートシンギング」、そして辰巳流、音羽流、彩月会のそれぞれ特徴ある「舞踊」、生田流宮城会の「箏の演奏」、天真正伝香取神道流の「居合道」、さらに華やかな彩りを添えたフラダンスグループの「ワイレレワイワイ」などが詩吟プログラムの合間に挿入され、多彩に楽しむことができた。詩吟になじみのない人へも日本の古典文化を伝える糸口になっていたのではないだろうか。閉会の挨拶で、大会実行委員長をつとめた伊東孝次さんは、サポートしてくれた人たちへの感謝の念と、「詩吟の流派はもちろん、文化、芸能の分野の垣根を超えたさらなる参加」を呼びかけていた。

(取材 笹川守)

 

ハワイから参加した赤嶺安彦さん

 

司会をつとめた中條和可奈さん

 

フラダンスグループ「ワイレレワイワイ」の皆さん

 

舞踊「彩月会」の皆さん

 

「アルタイスロートシンギング」のナルヒト阿久沢クルーシェンさん

 

「生田流宮城会」の箏(こと)の演奏

 

「音羽流」の舞踊

 

居合道「天真正伝香取神道流」の角谷政一さん

 

居合道「天真正伝香取神道流」の玉田絵里さん

 

舞踊「辰巳流」の杉原ミアさん

 

沖縄太鼓の皆さん

 

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