2017年11月23日 第47号

11月19日、しんしんと雪が降り積もり、昨年よりも一足早いスキーシーズンを迎えたウィスラーで、ベアフットビストロ(リステルホスピタリティグループ)主催の第7回牡蠣の早あけ世界大会が多くの観客の熱気の中、開催された。今年も秋の風物詩コナコーピア(ワインと食の祭典)の最終日に開催され、すっかり目玉イベントとなった本大会。ウィスラーカンファレンスセンター内の特設会場には、午後3時の開場とともに約750人に及ぶ人々が集った。

 

(左より)三位入賞のジェイソン・トットサラジさん(米国)優勝したジェイソン・ナギーさん(モントリオール)準優勝したジョナサン・メリルさん(バンクーバー)

 

 この日の牡蠣は全てバンクーバー島の北に位置するリードアイランドのソーミルベイ社から当日朝に届けられたばかり。人々は目の前でプロシャッカーにより次々とあけられる新鮮でおいしい牡蠣を一番の目当てに、BC州産のワイン、ベアフットビストロ の創作料理を思う存分に堪能した。また、DJによる音楽が会場に華を添える中、コナコーピアのクライマックスにふさわしい豪華で盛大なイベントとなった。

 今大会には、デンマーク、アイルランド、アメリカそしてカナダ国内はモントリオール、トロント、カルガリー、バンクーバーより選ばれた総勢19名のシャッカー(牡蠣あけ師)が華麗な技と速さを競い合った。日本代表として、日本オイスター協会公認「オイスターマイスター」で、プロシャッカーであるカルガリー葉っぱ居酒屋オーナーシェフの岩井利之さんが3年連続出場し、浴衣姿で会場を大いに盛り上げた。今回が出場3年目となる岩井さんは、いかにきれいに、そして早く開けるかを重視して今年も練習を重ね、「今年こそは競合揃いのシャッカーに負けず、決勝進出を目指してがんばりたい。」と競技直前に熱く意気込みを語った。

 大会は3種類計30個の牡蠣を「速さ」だけではなく、「牡蠣の身に傷がないこと」「殻が混じっていないこと」「適度な海水が残っていること」「貝柱を殻から外して食べやすいこと」といった項目全てが審査される。審査員はチョッピーノレストランのピノ・ポステラロ氏、トロントのオイスターバー、オイスターボーイのクリス・フィールド氏、カナダのベストシェフにも選ばれたベアフットビストロの総料理長メリッサ・クレイグさんが務め、速さとあでやかさ、全ての審査項目を厳正に審査した。

 4人または5人1組で4組の予選を行った後、上位4人が決勝に進むトーナメント。惜しくも決勝進出を逃した岩井さんは、 「来年こそは決勝進出。これからも引き続き練習を重ねていきたい」と、晴れやかに来年への闘志を燃やした。

 1位の優勝賞金5,000ドルを獲得したのは前回大会で2位だったモントリオールのジェイソン・ナギー選手。昨年の雪辱を果たし、会場内にその喜びを爆発させた。同時開催のバーテンダーたちが腕を競うブラッディーシーザーバトルの優勝者はマット・ウェランさん(ディープコーブ・ブリューワーズ・アンド・ディスティラーズ)に輝いた。

 今年も大盛況のうち、幕を閉じた第7回牡蠣の早あけ世界大会。今大会の収益金27,000ドルは、すべて「ブリティッシュ・コロンビア州がん基金」へ寄付された。

 主催者であるリステルホスピタリティグループ副社長の上遠野和彦氏は、「ウィスラーのスキーシーズンを盛り上げるキックオフイベントとしても定着した、今年7年目となる今大会。会場外の大雪も溶かしてしまうような競技者、観客の熱気がイベントをさらに盛り上げました。年々規模と豪華さが増し、多くの皆様に世界に誇るBC州産のおいしい牡蠣、ワインとともにウィスラーの魅力を発信でき、大変うれしく思います。今後も食とワインを通じて楽しめる多彩なウィスラーの魅力を発信していきたい」と語った。

(記事提供 中條和可奈 / 写真 斉藤光一)

 

技後に健闘を称え合う岩井利之さんと優勝したジェイソン・ナギーさん

 

 

収益金27,000ドルは全て「ブリティッシュ・コロンビア州がん基金」へ寄付

 

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