2017年4月20日 第16号

3月23 日、隣組の主催による「和食のテーブルマナー~お箸の所作を学ぶ」というタイトルで、福本衣李子さんによるワークショップが行われた。福本衣李子さんは日本に帰国のため、今回の講座がバンクーバーでの最後の講習会となった。この日は箸の歴史や種類、扱い方を中心に、美しい所作で和食をおいしくいただくためのテーブルマナーを、実践を交えて学んだ。

(取材:早風 美樹)

 

講師の福本衣李子さん

 

箸を持つ位置や動かし方を学ぶ

 

割り箸の扱い

①箸袋からの箸の取り出し方は、箸を袋ごと右手で取り、左手を下から受ける。右手で2回くらいで袋から引き出し、箸は箸置きに戻す。袋はお膳の左外側に袋の輪を手前にして置く。箸の中央に帯の付いた利休箸のときは、帯は破らずに箸をスライドして外す。

②割り箸を割る時は、テーブルの下の見えない位置で。左手で箸の1本をしっかり押さえ、右手でもう一本の箸を扇を開くように割る。

③食後は箸先を懐紙で拭き、箸袋に戻し、使用済みの印に箸袋の端を三角に折って箸置きに戻す。

 

 

箸の取り方・持ち方

箸の取り方… 箸は三みて手で取る。

①右手で中央よりやや右側を取る。

②左手で箸の中央を下から受ける。

③右手を箸から離さずに下に移動する。  

※置くときは取り方の順序と逆。

箸の持ち方…

①下になる箸は、薬指の指先の先端第一関節にのせ、親指の付け根で固定する。

②上の動かす方の箸を中指と人差し指で軽く挟み、親指の先を添える。

③下になる箸を固定したまま、上になる箸だけを動かす。

④動かしたときに箸先が嘴くちばしのようになっていると良い。

◆箸先から1.5cm 〜3cm を目安に使う。

箸の所作…挟む、押さえる、切る、割く

 

豆腐などの食べ方

 豆腐などの柔らかく、崩れやすい 食べ物の食べ方は、ちょっとしたコツがある。

①一口で食べられる大きさのもの…箸でしっかり両側から挟む。

②小さく切る場合は、手前から箸で押しながら切る。

③柔らかくて豆腐が半分になってしまうことがある。このような場合は豆腐の下の方を斜めに刺す。(本来、刺し箸をしてはいけないのだが例外もある)

 

 

※ふろふき大根なども②と同様に、食べやすい大きさまで箸で切り分ける。

 

 

レモンの搾り方

 レモンや柚子などの柑橘類が添えられているときは、手で搾ってもよいが、箸を使うと果汁が飛び散る心配がない。

◆スライスレモンが添えられているとき…  箸でレモンを取り、食べ物の上に直接のせる。箸先を使ってレモンを押さえ、果汁を落とすように搾る。

 

 

◆カットレモンが添えられているとき…  左手でレモンを持ち、箸をレモンに刺し込み、果肉を押さえて果汁を落とす。(レモンに切り込みが入れられている場合もある)

 

 

 

お椀のふたの扱い

①お椀のふたが開きにくい場合は、お椀の両脇を両手で押さえ、空気を入れるようにする。

②お椀のふたの手前をつまみ、ふたを12 時方向に持ち上げる。

③滴がお膳に垂れないようにふたを右手に寄せて傾け、お椀の内側で滴を切る。

④ふたはお膳の右外の奥に上を向けて置いておく。

 

 

◆いただく時は、左手でしっかりお椀を持つ。お椀を持ったまま右手で箸を取り、左手中指に挟み、箸を持ち直していただく。

 

 

◆食後は、お椀のふたは元通りに戻しておく。

★懐紙は通常(不祝儀以外)は下の角の三角が左側に来るように折る。

 

 

 

読者の皆様へ

これまでバンクーバー新報をご愛読いただき、誠にありがとうございました。新聞発行は2020年4月をもちまして終了致しました。