BC-JERFは、東北地方を襲った、巨大地震と津波の被災者を支援するために3月12日、隣組(Japanese Community Volunteers Association)に集まった50人以上の人が設立を決めたものだ。「震災が発生した11日にニュースを見ていて、何かしたいという人たちで翌日ミーティングをするということになりました。4-5人が集まるかと思っていたら、50人もの人が駆けつけてくれました」と、デビッド岩浅(隣組事務局長)さんはふりかえる。

以後、2つの委員会で活動を続けてきた。ひとつは募金活動を調整して、より多くの人に寄付を呼びかける委員会、もうひとつは、地域の芸術家、音楽家、パフォーマーによる震災救済コンサートを調整する委員会で、4月19日、クイーンエリザベスシアターで「がんばれ日本」という名称で行われた。現在、BC-JERFの活動に参加しているボランティアは1000人以上、サポートする企業も100社以上となった。

13日に届けられた約13万ドルは「被災者の役に立ちたいと強く願う多くの方々による民族の垣根を越えた“草の根”運動によって集められた寄付金です」と岩浅さんは説明する。企業からのまとまった寄付ではなく、日本人学生による路上の募金活動、レストランやショッピングモールに設置した募金箱、そして学生や家族からの寄付金など多くの方のサポートで集まったものだ。

「私たちはお金がないので、BC-JERFの想いを、震災の被災者を支援したいという、コミュニティの皆さんのサポートで活動をしています。募金活動のために名刺を作る費用やプリンタ、電話など、多くの人、組織に支えていただいています」(松元香寿恵さん)「コンサートをしたいというBC-JERFの計画を、バンクーバー市がサポートして、クイーンエリザベス劇場を無料で利用させていただきます。チケットを販売するチケットマスターの費用も無料、コンサートの出演者も、ボランティアで無料です」(岩浅さん)

今後も積極的に募金活動を展開していきたいと、コンサート以外にもラッフル(チャリティ福引)やサイレンとオークションも計画している。ラッフルは州政府に申請済みで、許可が下り次第、具体的な行動を始める。また、BC-JERFでデザインしたTシャツも販売している。1枚20ドルで、サイズはS、M、L、XLの4種類のTシャツはBC-JERFのイベントの際、会場で販売されるほか、隣組でも購入できる。売り上げは全て赤十字に寄付される。

BC-JERFのジョージ・クマガイ議長はプレスリリースで「この寄付金は、何とかして東北地方の被災者の力になりたいと強く思うバンクーバー一般市民の願いが込められていると思います」と述べている。

 

BC-日本地震支援基金(BC-JERF)
3月に発生した地震や津波、その結果、次々に明らかになる原発の脅威の中におかれている日本の被災者の状況を憂慮して、BC州のコミュニティにおける募金活動の取り組みの組織的拠点として行動し、日本の被災者の方々への財政援助を促進することを目的としている。BC-JERF に承認されたキャンペーン、イベントで集められた募金は、全額日本赤十字に寄付される。

支援に協力しているのはBCJSN (Japan Love); BOSS; 日加協会; ちび太鼓; 日本・カナダ商工会議所, the Japanese Canadian Citizens Association;Japanese Community Volunteers Association (隣組); Japanese Women Business Association; 企友会; Loud (music group); 宮城県友の会; 木曜会; 日系プレース; パウエル祭協会; Sakura Days ジャパンフェア; SamaSantie.com; UBC English Language Institute; バンクーバー日本語学校/日系会館; Yayoi Theatre Movement Societyなど。

ウェブサイト:  http://www.bc-jerf.ca

(取材 西川桂子)

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