日加ラグビーのテストマッチを11日に控え、9日両チームのヘッドコーチ(HC)とキャプテンが記者会見を行った。今回は会場としてBCプレースを使用。15人制ラグビー男子カナダ代表が同会場で試合を行うのは初めて。今年3月に、7人制ラグビー男子ワールドラグビーセブンズシリーズ「カナダセブンズ」が開催された時には満員の観客を動員し、盛り上がりを見せた。そのラグビー人気を今回も、とバンクーバー市も力を入れている。

 

左から、カナダ代表キャプテンのカドモア選手、アンスコムHC、日本代表キャプテン立川選手、ハメットHC

 

 記者会見では、バンクーバー市から市長代理としてヘザー・ディール市議があいさつ。2010年の冬季五輪以降も、昨年のFIFA女子ワールドカップ開催、7人制ラグビー、そして今回の15人制ラグビーと、バンクーバー市が国際スポーツ大会にふさわしい都市であることを強調した。今回の試合では、日本がやや有利としながらもカナダも負けていないと笑い、両チームの選手にエールを送った。

 日本からは在バンクーバー日本国総領事館首席領事内田晃氏があいさつ。2年前にスワンガードスタジアム(バーナビー市)で行われたPNC(パシフィック・ネーションズ・カップ)での日本対カナダ戦を観戦した時の興奮した体験を紹介した。さらに、当時125周年を迎えた総領事館にラグビーカナダから記念の盾が贈られたことに感謝を述べ、「今回もあの時のような素晴らしい試合を期待しています」と語った。日本では2019年に次期ラグビーW杯が開催されることにも触れ、カナダから多くのラグビーファンが来てくれることを期待しているとも語った。

「両チームともチーム再建期」

 記者会見で日本代表マーク・ハメットHC代行は「両チームともW杯が終わってチーム再建の期間に入っている」と語った。W杯終了後、引退した選手や新しく代表入りした選手、リオデジャネイロ五輪でセブンズに出場するため今回は参加していない選手などがいて、両チームとも同じ状況と説明。「チームの雰囲気としては今季初のテストマッチで、みんなハングリー精神を持ってやっているし、ポジションを狙おうと頑張っているし、私にとってはエキサイティングな条件。両チームともアタッキングラグビーで早いテンポの試合になると思うので、その辺りも楽しみにしています」と語った。

 立川理道キャプテンは「戦術的には咋年までの日本代表とは違ったサンウルブスのアタックというのが基本的なベースになると思う」としながらも、それでも素早い動きや終盤20分の攻撃という日本の持ち味は変わらないと語った。昨年のW杯以降、国内でラグビー人気が高まり期待も大きくなっている中での今回のテストマッチでは、若手が多くベテランがその辺りをうまくサポートしながら「失敗を恐れずにチャレンジしたい」と語った。

 カナダ側は、今回がヘッドコーチとして初試合となるマーク・アンスコムHCは、日本代表について「我々と同じような状況だと思う。新しいヘッドコーチが就任し、多くの選手が今回参加できていない状況。でも咋年のW杯から多くのものを引き継いでいるとも思う」と印象を述べた。今回の試合は両チームにとって非常にいい機会とアンスコムHC。カナダチームは「小さいことの積み重ねと、詳細な詰めと、自信を持ってプレーしたい」と語り、とにかく自分たちのラグビーをやっていきたいと語った。

 キャプテンのジェイミー・カドモア選手は、若い選手が多く、大きな会場に慣れていない選手も多いので、そこはベテランが支えるなどしてチームに貢献できるラグビーを伝えながら、カナダチームのラグビーをしたいと語った。「多くのファンが駆けつけてくれると思うし、自分たちの持っている100パーセントを出して、ファンにカナダラグビーを見せたい」と意気込んだ。

25回目のカナダ対日本戦

 カナダと日本が対決するのは6月11日の試合で25回目。勝敗はカナダの8勝14敗2分で日本が勝ち越している。カナダが日本に勝ったのは、2005年5月東京で開催された東芝スーパーカップでの15‐10が最後。以後、日本が2007年、2011年のW杯での引き分けを挟んで連勝している。

 世界ランキングは、現在日本が10位、カナダは18位。                  

(取材 三島 直美)

 

内田首席領事はあいさつで、日加は政治的な歴史も長いがラグビーの歴史も長く、日本が初めてBC州でプレーしたのは1930年、カナダが日本でプレーしたのは1932年と紹介した

 

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