BC州政府、女性の就職を支援するキャリアアップ・プログラムに180万ドル

ブリティッシュ・コロンビア州政府は11日、女性がキャリアを積むために必要な職業訓練をサポートするプログラム、ウーマン・イン・トレードトレーニング(WITT)に180万ドルを支援すると発表した。このプログラムは特に今後BC州で需要が増えると見込まれる貿易関係で女性が活躍できるためのスキルやノウハウを提供する。 この発表に合わせ、同日、BC州クリスティ・クラーク州首相はバーナビー商工会主催の昼食会で「ビジネスにおける女性のリーダーシップ」をテーマに講演。同州のビジネスシーンでもっと女性が活躍すべきと主張した。

 

「ツイッターは絶対見てはダメ。そこにかかれていることはかなりひどい」と笑いを誘ったクラーク州首相。3月11日バーナビー市

 

◇ これからは政財界で女性の活躍が必要

 講演の中でクラーク州首相は、経済的に成長を続け、雇用が増え続けるBC州で、これからはビジネス、政治の世界で女性のリーダーシップが必ず重要になると語った。

 昨年政権をとった自由党が連邦閣僚の半数を女性で占めたことは記憶に新しいが、BC州も同様に女性閣僚が多く、州営企業のBCハイドロやICBCなどでも女性がリーダーシップをとっていると強調した。

 しかし女性が政財界でCEOや理事として活躍するにはまだまだ大きな壁があるとも指摘。自身を例にとり、今月13日に女性州首相としてカナダ最長記録を更新したことをあげ、「まだ就任してたった5年しかたっていないのに、BC州史上というだけでなく、カナダ国内で最長という記録を塗り替えたのは、あまりにも記録水準が低かったから」と笑いを誘った。クラーク州首相はBC州第35代州首相。これ一つをとってみても、女性がトップで活躍するにはまだまだ乗り越えなくてはいけないことが多いと語った。

 その例として、上にたつ男性は服装など気にしなくてもいいのに、女性だと常に服装や化粧をチェックされ、政策よりそちらの方が大事かのようにみられることもある。こういうことはどの世界の女性にもつきまとうこと。しかし女性がトップで活躍すればするほどこうした偏見も薄れていくはず。そのためにも、もっと女性がトップとして活躍できるスキルが、機会が、社会が必要と語った。

 その第一歩として、まずは仕事を得るための職業訓練で女性を支援する。そのプログラムがインダストリー・トレーニング・オーゾリティ(ITA)のWITT。

 クラーク州首相は、「女性が成功することは素晴らしいことであり、女性は自身が望むどんなことにでも挑戦することが許されるべきであり、それが最高の母親になることであっても、CEOになることであってもいいはず。女性が野心や意欲を持つことは、悪いことではないし、奨励されるべきだし、それが支援されるべきだ」と語った。

 

◇ウーマン・イン・トレードトレーニング(WITT)

 BC州政府が180万ドルを支援するこのプラグラムは、インダストリー・トレーニング・オーゾリティ(ITA)が実施している。プログラム自体は以前からあり、2008/09年以降の実績で3千人以上の女性がこのプログラムをすでに利用。女性が貿易関連で就職するための基礎的な知識、技術、求職方法などの他、デイケアなどの支援も行っている。

 クラーク州首相は講演の中で、昨年だけでも5万人の雇用増加、経済成長は全国平均の約2倍と州経済の好調ぶりを強調。BC州政府は、定年退職や今後の経済成長を見越して、2024年までに約100万人の雇用が必要になると試算している。その中で、女性の活躍は絶対に必要で、女性が経歴を持つことや職業訓練により職を得ることを支援するとしている。                 

(取材 三島 直美)

 

WITTに関する情報:www.itabc.ca/women-trades/overview 
女性のための就職情報WorkBC:www.workbc.ca/Resources-for/Women/Women.aspx
BC州就業計画:www.workbc.ca/Training-Education/B-C-s-Skills-for-Jobs-Blueprint/learn-about-Blueprint.aspx

 

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