VSO バンクーバー交響楽団が3月1日に日本をテーマに演奏会

A Japanese Celebration

 

3月1日、バンクーバー交響楽団(VSO)がパシフィック・リム・フェスティバル・『ジャパニーズ・セレブレーション』を開催する。 ヴァイオリニストの諏訪内晶子さんをゲストに迎え、四つの日系合唱団がオーケストラとともに日本の歌を合唱。在バンクーバー日本国総領事館開館125周年記念行事にふさわしい日本音楽の夕べとなりそうだ。

 

 

ヴァイオリニスト諏訪内晶子さん

 VSOパシフィック・リム・フェスティバルは環太平洋諸国の文化を祝い、その国の音楽と演奏家にスポットをあてるのが趣旨。昨年の『韓国』に続き、今年は『日本』がテーマ。ゲストにヴァイオリニストの諏訪内晶子さんを迎え、ベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲を演奏する。

 日本とパリを行き来して国際的に活動する諏訪内さんは「カナダは演奏会などで何度も訪ねていますが、バンクーバーは初めてです。VSOとの共演と共に、訪れることを大変楽しみにしています。新年はパリで迎えました。皆が穏やかに過ごせる世の中である様、祈念しています」と本紙にメッセージを寄せてくれた。

すわない・あきこ 東京都出身。1990年史上最年少でチャイコフスキー国際コンクール優勝。これまでに小澤征爾、マゼール、メータ、デュトワ、サヴァリッシュらの指揮で、ボストン響、フィラデルフィア管、パリ管、ベルリン・フィルなど国内外の主要オーケストラと共演。マールボロ、ロッケンハウス、ルツェルンなどの国際音楽祭にも多数出演。

2012年春には日本で4年ぶりとなるリサイタル・ツアーを行い大成功を収めたほか、NHK交響楽団とジェームズ・マクミラン作曲のヴァイオリン協奏曲を、作曲者自身の指揮により日本初演。同年5月には、エリザベート王妃国際コンクールヴァイオリン部門で審査員を、2013年には「国際音楽祭NIPPON」を企画し、芸術監督を務めた。 13枚のCDをリリース。使用楽器は、日本音楽財団より貸与された1714年製作のストラディヴァリウス『ドルフィン』

 

諏訪内晶子(撮影 Tamihito Yoshida)

 

筝とヴァイオリンで『さくら さくら』

 子どものころお筝の音色に魅せられて稽古を始めた成谷百合子さんは、生田流・宮城会に属している。

「お箏の魅力は、何と言いましても音色がもっている、何か癒されるような、ほっとするような、特に日本人には懐かしいような音色ではないでしょうか?」。

 お筝は“お稽古ごと”の時代から、楽器として持つ可能性を求める傾向にあるそうで、今回はVSOコンサート・マスターのデール・バールトロップさんと『さくら さくら』を単独演奏する。これは宮城道雄がヴァイオリンとお筝のために作曲したもので、よく演奏される『さくら変奏曲』とは違うものとのこと。楽しみである。

 

成谷百合子さん(写真提供 VSO)

 

四つの日系合唱団、岡田誠司総領事の電子サックスも

 四つの日系合唱団総勢約80人がオーフィアムの舞台に立つという初めての試み。曲目は『花は咲く』『赤とんぼ』と『大地讃頌』(佐藤真作曲。混声合唱組曲『土の歌』より)。『花は咲く』では、合唱と一緒に岡田誠司総領事が電子サックスを演奏する。

 VSOアシスタント指揮者のゴードン・ジェラード氏は「日本の伝統的な音楽のみに焦点をあてるのではなく、日本文化が西洋の音楽にどう影響したかを表現するようなプログラムをお届けします」と話している。

 

さくらシンガーズ

 1970年に日本語の歌を歌いたいという人たちが集まりJCCA傘下のコーラス・グループとして発足。2006年にはBC州認可の非営利団体として登録。日系コミュニティでの精力的な活動を続け、そのレパートリーは250曲を越える。

「声のブレンディング、パートの正確さ、一緒に揃って綺麗なハーモニーが出るように努めています。さくらシンガーズからは約40人が参加します。素晴らしいオーフィアム・シアターで歌えることに、大変光栄で興奮しております。またこの機会に、日本の音楽を多民族文化のカナダ社会の人々に伝えられることをうれしく思っています」(ミュージック・ディレクター、ルース鈴木)

カトレアコーラス

 1991年、バンクーバー補習授業校に通う生徒の母親たちが中心となって発足。現在は歌の大好きな女性たちがグレーター・バンクーバー全域から集まり、カナダの地で美しい日本語を音楽にのせ、温かく優しい心、平和への思い、そして生きる喜びを人々に届けようと幅広く活動している。来年4月にはカトレアコーラス結成25周年記念コンサートを開催予定。 「毎日暗いニュースが多く、心を痛めている方もいらっしゃることと思います。こういう時だからこそ、バンクーバーに住む私達日本人の、和をもって尊ぶ精神と音楽の力で、文化の交流を深めていけたら幸いです。カトレアコーラスからは25人ほど参加する予定です」(ミュージック・ディレクター、内藤邦子)

ウインズ・クワイアー

 2000年にスタートし、現在メンバーは女性7人、男性2人。20才代〜70才代。 「この度のVSOと4つの合唱団の共演という素晴らしい機会を与えてくださったアレクサンダーご夫妻はじめVSO関係の方々に心から感謝しております。●正確に歌う ●言葉をはっきり ●フレーズを上手につなげる ●感情を込めて ●暗譜をする、を目標に練習をしております。

 色とりどりの着物を着てステージに立ったら、それだけでも日本が大きくアピールされることでしょう。そしてなによりも素晴らしい合唱ができるように、日本の方々がたくさん応援に来てくださったらと願っております」(ミュージック・ディレクター、桑原モコ)

NAVコーラス

 大塚聖一氏(現在レバノン大使)の提唱で、2007年から天皇誕生日レセプションで国歌を合唱。現在は各式典やスポーツの開幕国歌、コミュニティでのコンサートなどに協力という形で、国歌のほかにも各国の代表的な曲を原語で練習している。 「NAVコーラスはアンサンブル・サイズのグループですので、ひとりひとりの発声方法が違うと限界ができてしまいます。幸いに今年はボイストレーニングのチャンスも訪れ、また1歩前進できると思います。このようなプログラムのお陰で、私たち素人がVSOとの共演というチャンスをいただき感謝しています」(ミュージック・ディレクター、妹尾翠)

 

VSOコンサートマスター、デール・バールトロップさん(写真提供 VSO)

 

 

バンクーバー交響楽団

パシフィック・リム・フェスティバル

A Japanese Celebration

3月1日(日)オーフィアム・シアター、7:30pm~

チケット www.vancouversymphony.caまたは604-876-3434

ゴードン・ジェラード(指揮)

諏訪内晶子(ヴァイオリン)

成谷百合子(箏)

デール・バールトロップ(ヴァイオリン)

岡田誠司在バンクーバー日本国総領事(電子サックス)

さくらシンガーズ

カトレア・コーラス

ウィンズ・クワイアー

NAVコーラス

   

(取材 ルイーズ阿久沢)

読者の皆様へ

これまでバンクーバー新報をご愛読いただき、誠にありがとうございました。新聞発行は2020年4月をもちまして終了致しました。