D-Way見本市

6月9日、リッチモンド市で「Food and Beverage Show」が開催された。主催は、日本の酒、食品を日本各地から輸入し、BC州の日本食のレストラン、食品販売ストア、リカーストアに卸売り業を営む「D-Way社」。新銘柄の日本酒のほか、ラーメン、築地からの鮮魚、塩麹など新メニュー開発にもうってつけの品々が紹介されていた。

 

名酒「夢は正夢」の蔵元「梵」の社長自ら試飲のサービス

 

オバマ米大統領にプレゼントされた名酒「梵 夢は正夢」も登場

宮中晩餐会で供されたこの「夢は正夢」は、バンクーバーには年間12本しか入荷しない貴重な酒。その試飲コーナーには多くの人が集まっていた。  D-WAY社では、日本の30を越える蔵元の酒を取り扱っているが、今回、さらに新しい9銘柄の酒を紹介した。和食の世界遺産登録によって日系人の間ばかりではなく、ここカナダにも日本酒の認知度、人気が高まっている。BC州のリカーストアでも日本酒の品揃えを広げようとする動きも多くなったという。

 

築地直送の鮮魚。魚種も豊富

 

ラーメン人気は、カナダでも!

日本では、ラーメンの『ブランド化』がいわれて久しいが、今や海外でも寿司に次いで人気が高まっているようだ。ここメトロバンクーバーでも、この2~3年の間にさまざまなブランドのラーメン店が開店した。そうした流れの中、日本食レストランでもラーメンをメニューに加えようという機運がある。しかし、味の開発はたやすくはない。そこで、提案したのがD-WAY社がプロデュースするラーメン。一定の味を簡単に出せて、そこへお店独自の味を加えオリジナルのラーメンを提供できる食材を発表していた。  また、築地から直送される「ハーブぶり」をはじめ鯛などの鮮魚や、塩麹、だし醤油など、日本の味を出しやすくした商品をラインナップ。日系人ばかりではなく、本格的な日本料理を作れるさまざまな素材を用意し、料理の国境を低くしている。日本料理の人気の高まりとともに、今や、中国系、韓国系など東南アジアの人々の経営による日本料理店が多数を占めている。

 

今年も変わらずの大盛況ぶり

 

セミナーで後押し

この日は、「なぜハーブぶりをえらぶのか」、「ラーメンビジネス」、「酒、どのように利益にひびくのか」というテーマでセミナーが開催されていた。いずれも調理法や飲食業のビジネスの成功のヒントになる話で、国際色豊かな人々が熱心に聞いていた。  D-WAY社のビジネス姿勢は、単に品物を卸売りするだけでなく、そうした即ビジネスに役立つ情報やヒントなど、総合的な提案を行っている。日本食ならではの文化をも提案するその姿勢が、年々カスタマーを増やし、この見本市に多くの来場者を迎えているゆえんと見受けられる。

 

(取材 笹川守)

 

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