JETプログラムの発展

1987年、外国語教育の充実と地域レベルの国際交流、諸外国との相互理解を目的に始まったJETプログラム。カナダは1988年から参加。当時オタワの日本大使館に赴任していた岡田総領事は、この初の試みを立ち上がらせるまでの大変さを知るひとりだ。
これまでに40か国から4000人以上、カナダからは合計8000人以上がJETプログラムに参加している。

 

語りかけるスピーチ

「日本で英語を流暢に話せる人は何パーセントいると思いますか?」の問いかけで始まった岡田総領事のスピーチ。語りかけるような親身なアプローチに、参加者たちは緊張感をほっと緩ませた。
ケニアのナイロビで日本大使館に勤務していたとき、教育のない子どもたちでも英語を片言話していた。サバイバルとして英語を話そうとする姿勢。それに比べ、日本では日常生活に必ずしも英語が必要でないため、流暢に話せる人は人口のわずか2パーセントというのが実情だ。
「学生に本当の英語を教えてください」と語りかけ、日本で英語教育の必要性、安全性、繰り返す政権交代、震災後の経済など、日本の状況を例を挙げながら詳しく説明した。

 

3人が福島へ出発

JETプログラムには小・中学校で働く外国語指導助手ほか、市役所などで働く国際交流員の役割がある。  国際交流員として福島市に派遣されるビビアン・ヒーさん(23)は独学で覚えたという流暢な日本語を話す。「人生を賭けるような経験をしたいです。みなさん、魔法の言葉“ありがとう”を忘れずに!」と代表で挨拶した。
新卒の日系3世、ティファニー・ハラグチさん(22)はいわき市へ。水や野菜に注意したいという。磐梯町に行くマックスウェル・ラムさん(28)とともに、福島双葉郡大熊町出身の日本語教師、高木つね子先生から励ましの言葉を受けた。

 

すばらしい文化交流

中学のころ、家にホームステイしていた日本人学生と言葉が通じず、はがゆかったというチャーリー・ランディーさん。当時は「ドモアリガト、ミスターロボット」しか知らなかったそうだが、この学生を通して日本に興味を持ち始め、日本の大学に留学もした。今回、岡山県で英語を教えるのを楽しみにしているという。
1996年に石川県金沢市に行き、合計3年間滞在したJET同窓会のグレッグ・ジョキンさんが乾杯の音頭を取り、参加者にエールを送った。

 

(取材 ルイーズ阿久沢)

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