2016年9月1日 第36号

 みなさま、はじめまして。私は接客コンサルタント、日本料理のテーブルマナー講師をしております福本衣李子と申します。

 この度、ご縁あって連載の機会に恵まれましたこと、大変嬉しく思います。皆様が愉しみながらお読みいただけますように日本料理のテーブルマナー(日本料理の愉しみ方、いただき方)や、拙著の『帝国ホテルで学んだ無限リピート接客術』の紹介、接客に関する私の経験を中心に、お話を進めさせて頂きたいと考えています。一方、私事で恐縮ですが、カナダでの和食文化の普及活動にも力を注いでいきたいと思っています。

 さて、第一回目のテーマは、読者の皆様と親睦が図れますことを祈念して乾杯をテーマにさせていただきました。  

 「かんぱ〜い!」、同席者と笑顔でカチンカチンとグラスを合わせる音。皆さんも一度は耳にしたことはありませんか? もしかしたら乾杯はグラス同士を合わせるのがマナーだと思い込んでいませんか? でも改まった席ではグラスは合わせないのがマナーです。その理由については次回、詳しく説明いたします。

◆乾杯の目的は、参加者全員が揃ったことを確認し宴の始まりを告げる大切な祝いの発声です。乾杯者が祝辞を述べ、乾杯と同時に喜びを分かち合います。そしていよいよ宴がスタートします。そこで、乾杯の流れをあらためて整理してみます。

(文・福本 衣李子)

 

※1:スタッフが注いてくださるのは、お客様という立場ですので注いでいただきます。それに対して、お客様同士は同列の関係ですので、グラスを持って注ぎ合います。
※2:アルコールが苦手な人でも唇を湿らす程度でつきあいます。ソフトドリンクは、着席後オーダーするのが望ましいでしょう。また私の接客の経験上、進行を遅らせる原因となります。
※3:宴席によっては1と2の順番が逆の場合があります。(立ってから注ぐときと座っている間に注ぐときがあるので、その会に準じます)
※4:飲み干さないこと:乾杯は会によっては複数の人が乾杯の音頭をとることがあります。(飲んでしまうと慌てて注ぎ足さなくては、ならなくなります)
★乾杯で参加者が悩む点は「表の3」です。表3を習得しておくと乾杯に自信が持てるようになります。

 


著書紹介
2012年光文社より刊行。「帝国ホテルで学んだ無限リピート接客術」一瞬の出会いを永遠に変える魔法の7か条。アマゾンで接客部門2位となる。
お客様の心の声をいち早く聞き取り要望に応えリピーターになりたくさせる術を公開。小さな一手間がお客様の心を動かす。ビジネスだけでなくプライベートシーンでも役立つ本と好評。〜$15にて販売中〜

セミナー紹介
2016年9月よりお箸の持ち方、「5つの箸使い、割り箸の4つの所作を教えます」のセミナーを開始。毎週木曜1時間。1時〜と5時半〜(全4回)。
1回$30(割引:4回分一括前納は$80)それ以外の時間でも可。連続での受講も可。修了証を差し上げます。 申し込み方法はThis email address is being protected from spambots. You need JavaScript enabled to view it.まで。

福本衣李子 (ふくもと・えりこ)プロフィール
青森県八戸市出身。接客コンサルタント。1978年帝国ホテルに入社。客室、レストラン、ルームサービスを経験。1983年結婚退職。1998年帝国ホテル子会社インペリアルエンタープライズ入社。関連会社の和食店女将となる。2005年スタッフ教育の会社『オフィスRan』を起業。2008年より(社)日本ホテル・レストラン技能協会にて日本料理、西洋料理、中国料理、テーブルマナー講師認定。FBO協会にて利き酒師認定。

 

 

読者の皆様へ

これまでバンクーバー新報をご愛読いただき、誠にありがとうございました。新聞発行は2020年4月をもちまして終了致しました。