2016年7月7日 第28号

平成25年12月、『和食・日本人の伝統的な食文化』がユネスコ無形文化遺産に登録されました。これは日本人として非常に喜ばしく、誇りに思うことです。

私はノースバンクーバーを拠点に日本料理(和食)、主に日本の家庭料理をカナダのみなさんに紹介しています。カリフォルニアロールや照り焼きチキン以外に、私が小さいころ母親が作ってくれ、そして作り方を教わった本当の和食を伝えたくてお料理教室をはじめました。和食とは食することだけを目的とした料理ではなく、日本の文化、四季と深いつながりがあり、季節のお野菜、旬のお魚、時には笹やモミジを飾りに使い、趣のある器にお料理を盛り付け、料理を振舞う家族や友達を思いながら作る心、それらすべてを含めたものだと思います。

 日本は食生活が欧米化したとはいえ、OECD Health の2013年までの最近年の統計によると、日本の肥満率は3.7%、それと比較しアメリカは約35%、ここカナダでも約25%と高い数字が出ています。この統計から割り出すとアメリカは人口の3分の1、カナダは4分の1が肥満ということになります。日本の肥満率が低いのは、和食と食べる量、この2点にあると思います。和食は昔から言われる一汁三菜を基本に作られます。汁物一品、魚、肉、豆腐等の豆製品からなる主菜一品、そして副菜二品からなる献立構成を意味する一汁三菜は油やバター、生クリームといった乳製品をあまり使わず、主菜、副菜共々に野菜をたっぷり使い、醤油や味噌といった発酵調味料で調理されたヘルシーな食事です。また和食は大皿に盛り、好きなだけとるのではなく、趣のある器に少量ずつ盛り付けられています。これで食べる量を節制できるのです。

 カナダのお弁当一つにしても、子供達が毎日学校に持参するお弁当に対する考え方の違いにびっくりさせられます。PB&Jサンドイッチって何だかわかりますか?これはカナダでとても子供たちに人気のあるサンドイッチです。PBはPeanut Butter (ピーナツバター)でJはJelly/Jam(ゼリー/ジャム)。つまりピーナッツバターとゼリージャムを挟んだサンドイッチです。最近はピーナツアレルギーのため、このサンドイッチを禁止している学校が多いので、大豆等からできたバターで代用されていますが、最初聞いたときはこんなサンドイッチをお弁当にとびっくりしたものです。日本でもコンビニのお弁当を持たせる親がいると聞きますが、日本の手づくり愛情弁当が一番。カナダではお弁当といえばサンドイッチや中には缶入りスープや即席パスタを温めただけのもの、果てにはチップスだけ持ってくる子供もいます。これも肥満率が高い原因の一つだと思います。毎日のお弁当作りは大変なもの。我が家ではお弁当用の保温ジャーが大活躍します。前日のお味噌汁、親子どんぶりや麻婆どんぶりをドカーンと入れることもよくありますが、温かいお弁当は子供達も結構喜んでくれます。

 私も育ちざかりの3人の男の子を持つ主婦ですから、お弁当をはじめ毎日毎日の食事の支度は正直大変に思うこともありますが、家族のために作る毎日の食事作りには力を入れますし、主人や子供達が喜んで食べてくれることに感謝しながら、食事作りに励んでいます。

 英語の有名なことわざに「You are what you eat」があります。このことわざを直訳すれば「あなたはあなたが食べるものです」になりますが、日本のことわざの「食が人なり」とよく似た意味、つまり食があなたを作るとか、あなたが食べたものがあなたを形作っているとでもいうことでしょうか。だから食事作りをする主婦や主夫は大変大きな仕事を担っています。

 毎食手の込んだものでなくても、しんどくならない程度にできるだけ手作りで愛情いっぱいの料理作りを心がけ、料理ができ、食べてくれる家族、友達がいることに日々感謝しています。これは私の母が教えてくれたことで、自分の子供にも伝えていきたいと思います。

 私のレシピはほとんどが特別な器具を必要とせず、手軽に作れるものですので、みなさん一度お試しください。

(文 鈴木 公子)

 

公子の簡単に作れる和風レシピ

小豆アイスキャンディーの作り方

夏真っ盛り!この季節になると日本で食べた甘くて冷たい『あずきバー』が恋しくなりませんか? 材料は3つだけ。意外と簡単に作れます。

材料 80ccの型のもの6個分
・粒あん250g
・牛乳250cc
・練乳(コンデンスミルク) 大さじ4杯

作り方
①粒あん、牛乳、コンデンスミルクをボールに入れ、あずきをつぶしながらよく混ぜる。
②①を型に流す。型に液を入れる際、型の一番上から約1センチ下の部分までにしてください。液が固まると膨張します。
③4〜5時間もしくは一晩冷凍庫で冷やし固める。

アイスキャンディー型がない場合は、アルミのプリン型や小さい紙コップに①の粒あん液を流し入れ、冷凍庫で半固めにし、アイスキャンディーの棒を真ん中に差し込んで、再度固めてでき上がり。型から外すときはぬるま湯に型を30秒から1分つけておいてから外してください。

 

 

 

 


鈴木 公子(すずき きみこ):和歌山県出身。ノースバンクーバーを拠点に旬の野菜、地元の食材を使った和食を発信。
母親から本当の家庭料理を学び、ミシュラン一つ星、京都とり料理瀬戸の女将さんから『おもてなしの心』を学ぶ。
Cook Culture及びWell Fed Studioの和食インストラクター。UBC Farmにて和食のワークショップ開催予定。edible Vancouver wine and country にて記事掲載。
www.kimikoskitchen.wordpress.com

 

 

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