2016年9月8日 第37号

　オリンピックには、いろいろな競技があるが、その中でもマラソンはハイライトであるといえる。マラソンは、40キロほどの長い道を走る競技である。スポーツは、体と心を鍛えるのに役立つ。マラソンは、その代表的なものといえるだろう。

　では、マラソンという名前はなぜ付いたのだろう。

　紀元前４９０年のことである。そのころ、強い国であったペルシャが、10万の大軍でギリシャを攻めた。ペルシャ軍は途中の島々の戦争で勝ち、嵐のようにギリシャの本土にやって来て、マラソンの野まで進んだ。そこから40キロばかりの所にアテネという町がある。

　アテネ軍は、アテネとマラソンの間にあるウラニアの谷を見おろす山の上に陣地を作った。

　ペルシャ軍は、アテネの町を一気に攻めようとして、ウラニアの谷まで進んで来た。

　それを見たアテネ軍は、なだれのように押し寄せて、ペルシャ軍をマラソンの野まで追い返した。ペルシャ軍は負けてしまって、船に乗って逃げた。

　こうして勝ったアテネ軍の司令官は、このニュースを少しでも早くアテネの人々に知らせたいと思って、ひとりの兵士を選んだ。その兵士は、マラソンの野からアテネの町までの道を、一生懸命走り続けた。

　やっとアテネに着くと、兵士はひとこと、「我が軍が勝ったぞ」と叫ぶと、ばったりと倒れてしまった。 　このうれしい知らせに人々は飛び上がって喜びあった。

　けれどもこのニュースを知らせてくれた兵士は、そのまま死んでしまった。

　『マラソン』という競技は、この勇敢な兵士を記念して始まったものである。

（BC州日本語教育振興会・教科書作成委員会発行）

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