2017年12月21日 第51号

 あっと言う間にもう12月。2017年も残すところ数週間、なんと早く過ぎてしまったのだろう。インドの占い師に老婆の寿命は印度カレンダーで82〜83歳と言われた。印度カレンダーは1年の日数が少ないから、多分82歳が寿命と考え、自分の残りの人生をなんとか有効に使おうと考え始めたのは昨年からだ。

 そして、元気なうちに旅行をしよう!まず最初に今年の1月は雪の金沢へ。岡田前総領事ご夫妻ともう一人、もの凄い美食家の男性、そして、桐島洋子さんと老婆、5人の旅だった。その美食家が勧めるおいしいものを食べに食べた「食べ歩き旅行」。雪の兼六園公園も美しかった。

 3月〜4月はお花見と伊豆の天城山荘へサイババ様のメッセージを伝える聖人の祝福を受けに行き、また不思議な体験をした。6月はサンフランシスコで長女とその家族に会い、7月は尊敬する作家桐島洋子さんの傘寿祝会出席のため、また東京へ。彼女ももう80歳。私達は50歳で会い、お付き合いを始めてなんともう30年の時がたった。

 9月は、6月にバンクーバーの高校を卒業した18歳の孫が、日本の大学へ入学。その入学式に出席。うれしかった!身長180センチに成長した孫と反対に、どんどん小さくなっていく老婆。洗濯物を干す(ドライヤー無使用)のでさえ、今は踏み台が必要。10月はサンフランシスコの13歳の孫娘の誕生会に行った。ユダヤ人は、13歳の誕生祝いは盛大に行う。日本の成人式のようなものかな?彼女は2年がかりでヘブライ語のトーラの読みの勉強をし、当日見事に読み上げ私たちを驚かせた。と言っても、この老婆には彼女が何を言っているか分っていない。歌を聴いている様なものだった。この孫娘、初夏にサンフランシスコ・バレエのオーディションに受かり、今、ナッツクラッカーの兵隊さんで舞台の上をちょろちょろしているが、あの日お祝いには100数十人もの友人、知人、親戚が集まってくれたのだ。

 さてそのパーティーの翌日、老婆はサンフランシスコからロンドンへ飛び、ロンドンのヒースロー空港からガトウイック空港までバスで行き、ジェーンオースティン勉強会の皆にジョインした。優しい仲間と先生に助けられながらの2週間の英国勉強旅行は、難聴者にはいろいろ面倒もあった。しかし、同行仲間の理解と助けで実現できた旅だった。

 11月2日にここから日本へ帰ったばかりの洋子先生から「淋しい病」にかかったから会いに来いとメールが届く。そして会いに東京へ行った。この「淋しい病」は曲者で、ここバンクーバーでも老男老女多くの人がかかっているらしい。今回の日本旅行では昔からの友人知人を見舞って歩き、北は青森、南は佐賀まで動き回った。気が付くと、自分とは全く縁がなかったはずの「筋萎縮症」とか「膠原病」、そして、「パーキンソン氏病」等の難病の友人がいたのに驚いた。そして、もう12月は中旬から新年まで、またサンフランシスコで娘家族と過ごす。忙しかったが老婆にはなんと幸せな1年だっただろうか!

 この年の瀬にふっと思い出し、昔書いた原稿を出してみた。そこには老婆が人生末に過去を振り返り、もし自分が「このように生きて来たのなら良いなあと思う10ケ条」が書いてあった。残り数年、もしこの10ケ条を役立たせ、平和な心で生きられればどんなに良いだろう。

1 仕事に最善を尽くすが、家族にも尽くしている人
2 人の上に立つことよりも、人の役に立つことが好きな人
3 話をするのも好きだが、話をじっくり聞ける人
4 今さらと思うよりも、今からと燃える人
5 成果を期待するよりも、成長を楽しめる人
6 自分の成長以上に、他人の成長を歓べる人
7 割りに合う仕事を探すよりも、自分に合う仕事を創る人
8 勝ちにこだわるよりも、価値を生み出す人
9 合理的に働くよりも、個性的に生きる人
10 遠くの夢を見ながらも、足元の幸せを見つけられる人

許 澄子

 

読者の皆様へ

これまでバンクーバー新報をご愛読いただき、誠にありがとうございました。新聞発行は2020年4月をもちまして終了致しました。