2019年2月7日 第6号

 日本語でも難しいのに、英語でパートナーと上手にコミュニケーションをとるのは至難の技。特に日本では文法を中心に学んでくるので、会話になるとどうも直訳になってしまいます。出会った頃は直球英語でも相手はあなたの英語に一生懸命耳を傾けて意味をくもうとしてくれます。そしてあなたも英語を話すパートナーをとても頼もしく感じます。それが相手に伝わり、彼もあなたからリスペクトされていると感じ嬉しくなるでしょう。この信頼感が恋愛モードを作り、二人は晴れてラブラブカップルになります。これを国際カップルの『ベーシック♡レベル1』としましょう。『ベーシック♡レベル2』は、英語で基本的な自分の気持ちやニーズを表現できる、相手もそれに応えてくれる。そしてあなたも彼の気持ちに耳を傾けることができる。ここまで意思の疎通が英語ででき、互いに思いやりとリスペクトがあれば、同棲または結婚へと進展していくでしょう。

愛を進化させるためには、英語での表現力アップを目指すこと

 国際カップルの場合、そこからさらに二人の絆を深めるためには、『気持ちを確認できる(ベーシック♡レベル)』から『話し合える(中級♡レベル)』 に、英語のコミュニケーション力をアップする必要があります。本来なら、結婚前に意見が話し合えるかを確認することが理想ですが、国際カップルの場合、これらを認識し出すのは一緒に住み始めた後になることが多いようです。さらに、子供が生まれた後は、子供の育て方や価値観の違いなど、 コンフリクトがあった場合、お互いのニーズに合わせて 『互いのニーズをリスペクトしながら交渉できる(アドバンス♡レベル)』までに、コミュニケーション力を進化させていることが理想です。

 国際カップルの場合、英語の表現力が出会ったときのままでいると、二人の関係はベーシック・レベルのままでストップしてしまいます。日本の文化では、 夫婦が『パパ』『ママ』と呼び合い、お父さんとお母さんという役割が主になりますが、北米ではカップルはそれプラスで、男女の良い関係を続けているかが重要視されています。リアルにうまくコミュニケーションが取れないと、最初に二人を結び付けていたベーシックの部分は完全に消えてしまい、夫婦の危機につながっていきます。 そのため、国際カップルは普段から二人のコミュニケーション・パターンを意識する必要があります。

国際カップルの関係を近づける言葉と遠ざける言葉

 カップルの距離を遠ざける英単語の代表が“Why…?”で、近づける英単語は“What…?”。 日本語では『なんで?(Why)』を使いがちですが、 英語でWhyを使うと、相手を批判しているように伝わってしまいます。またWhyを使いすぎると、幼く教養がないような雰囲気が伝わってしまいます。ですが、この部分にWhatを使うだけで印象が一気に変えることができます。例えば、“Why do you say that?” を“What makes you say that? ”と言い換えてみます。Whatを使うと意味的には相手の言っていることを理解したいという、Whyよりはもっと柔らかいニュアンスが相手に伝わり、 『女性らしい+教養がある』という中級コミュニケーション力を持っている印象を与えることができます。

 もうすでに結婚されてお子様のいらっしゃる方は、『今さら英語の勉強なんて…』と思われるかもしれませんが、中学生や高校生の英語力で十分!! ただ、『新しい言い回しを会話の中に入れていく』努力が大事です。これからカナダで生活していくお子様との絆を深めることにもつながりますので、テレビを見ながらでも、ネイティブ的な表現方法を少し意識し始めてくださいね。

 

お知らせ:『お家が明るくなる!アドラー式子育て』ワークショップは2月末開催予定!

 


Sunny Chung MBA, MCP, RCC, CPF

カナダ・BC州認定心理カウンセラー。 BC州認定アドラーペアレンティング・エデュケーター。クシ・アカデミー認定マクロビオティック・インストラクター。スピリチュアルカウンセラー。アメリカで心理学学士号&経営学修士、カナダで心理学カウンセリング修士取得。10年間アメリカ・カナダの企業でコミュニケーション、人間関係、パフォーマンスなどをコーチング。心理カウンセリングはアドラー心理学、CBT、脳科学、およびアートセラピーをもとに、世界でここしかないホリスティックなカウンセリングを日・英語で提供している。また、いろいろなテーマで各種セミナーを随時開催。カウンセリング&ワークショップの詳細はウェブサイトから。
www.sunnychung.ca

 

 

読者の皆様へ

これまでバンクーバー新報をご愛読いただき、誠にありがとうございました。新聞発行は2020年4月をもちまして終了致しました。