2020年3月19日 第12号

 現在、世界中で新型コロナウィルス感染症に対する対策が各国において行われている。市民としては各政府が行う緊急対応策に協力することで、できるだけ感染者を少なくすることに寄与できる。

 わたしたちがとる予防策、警戒対策のことをprecaution(プリコーション)という。人々が多くいるような場所に行かなかったり、手を頻繁に洗うことだったり、顔を触らないことだったりいろいろあるが、そういう「注意する」際に使われる英語にはいろいろなバリエーションがあるため、さまざまな言い方、表現を知っておいてもらいたいと思う。

Be careful 「気を付けて」

という表現はよく知られている表現かもしれない。しかしこの“care”には気遣い、手入れ、世話といった意味のほかに「注意」という意味もある。

Handle with care 「注意して扱う」

いわゆる旅行中のスーツケースなどに貼られる「ワレモノ注意」にあてはまる言葉である。

Treat with care 「注意して取り扱う」

これも上記と同じ意味だが、誰かに説明しているときとかに「これは危険だから」または「これは壊れやすいので」という理由から使われる。

Please be very careful when dealing with this situation. 「この状況に応じる際は繊細な注意を払ってください」

Please treat this situation with special care.  「この状況には特別な注意を払ってください」

Please handle the situation with great care.  「この状況は注意深く扱ってください」

Please pay special attention when you are dealing with this situation. 「この状況を扱う際には特別な注意を払ってください」

  上記の四つの例はどれも同じことを意味しているが、言い方が微妙に違っているだけ。

Careless 「注意が足りない」「軽率な」

Sorry, it was a careless mistake. 「すみません、注意を怠ったミスでした」

Sorry, I was not paying attention. 「すみません、注意していませんでした」

Sorry, I was not cautious. 「すみません、注意していませんでした」

“caution”(注意・警告)は“care”の類義語ともいえる「注意する」の別の言葉でもある。

The teacher cautioned students to be careful when handling chemicals. 「教師は生徒たちに薬品を扱う際には気を付けるよう注意した」

あと“attention”も上記の例に挙げられたように「注意する」の類義語であり、これを形容詞にすれば、“attentive”(注意しているさま)を表す。

Since it was their first time trying, they listened to the instructions attentively. 「初めてする事柄だったので、彼らは注意深く説明に耳を傾けた」

He was not paying attention so he missed the queue. 「注意を払っていなかったため、彼はキューを逃した」

He did not take note of the train schedule so he missed the train. 「時刻表に注意を払わなかったため、彼は電車に乗り遅れた」

Take note 「気付く・注意を払う」 もし何かが起きているのに注意を払わないために気づくのが遅れた場合に使われる。

 現在、世界中で起きている事柄に対して政府が行う保健対策を軽視してしまうなら、後悔することにもなりかねない。読者の皆様も注意を払って緊急対策に協力していただきたい。

(文・イラスト 亀谷長政)

 

読者の皆様へ

これまでバンクーバー新報をご愛読いただき、誠にありがとうございました。新聞発行は2020年4月をもちまして終了致しました。