2016年10月20日 第43号

 

 『credit』と聞けばすぐにクレジットカードを思い浮かべてしまうが、他の分野でどのように使われているか紹介しておきたい。

 『credit』自体がそもそも「将来支払われることを前提とした信用性(信用度)」のことで、家やマンション、車を買う際の金銭面でのクレジットがあるかないか、それを示すのが『credit history』(信用履歴)や、『credit score』(信用度格付け)だったりする。

 高校や大学でもこの『credit』が『学位』や『(卒業)単位』のような形で用いられる。

I do not have enough credits to finish Grade 12.
「グレード12(高校)を終了するのに必要な単位が足りない」

 また誰かが成し遂げたことを自分の手柄であることのように示すときにも『credit』を使う。

He likes to take credit for our work.
「彼は僕たちのする仕事を自分の手柄にする傾向がある」

Don’t give yourself too much credit.
「自分をあまりよく見せすぎないようにね」「自分を過大評価しすぎないようにね」

All credit goes to Jim. 
「すべてはジムのおかげです」(功績はすべてジムのおかげ)

 信用できるかできないかは『credible』(クレディブル)と表される。その反対が『incredible』(インクレディブル)で、「信じられない!」の『unbelievable!』と同じ使われ方がされる。

 その信用性の度合いが『credibility』と呼ばれるが、これが短縮されて『cred』(クレッド)というスラングを用いることができる。ただ『credit』の短縮形ではないので、そこだけ間違えないようにしたい。

He has some street cred around here.
「あいつはこの辺りでは結構認められた奴だ」

 この場合『street cred』はその街で、またはその近辺でどれだけリスペクトされているかを表す度数と理解してよい。

 また似た言葉として『credentials』(クレデンシャル)があるが、これは特定の仕事を果たすのに必要とされる資格のことを指し、特定の認定書であったり、個人が持つ過去からの経験からもたらされる特質であったりする。

Trump does not seem to have the necessary credentials to win the presidential campaign.
「トランプ氏は大統領選挙に勝つのに必要な経験を備えていないように見える」

 さて11月7日の大統領選は誰が次のアメリカ大統領に必要とされる信用度を勝ち得るのだろうか。

(文・イラスト 亀谷長政)

 

読者の皆様へ

これまでバンクーバー新報をご愛読いただき、誠にありがとうございました。新聞発行は2020年4月をもちまして終了致しました。