2019年1月10日 第2号
明けましておめでとうございます。本年も宜しくお願いいたします。
今回は食膳のことについてお話をしたいと思います。日々食べている食材で私たちの身体の基礎は作られています。そのため毎日同じ食材を食べたり、偏った食事ばかりとっていると遅かれ早かれ、身体に何かしらの問題を起こします。栄養が偏るから不調が起こる…と思われがちですが、実はある一定の食材や栄養を摂り続けると他の栄養分の吸収を妨げることになるので、食べ合わせを気にして食事をするのも大切です。
よく見受けられるのは鉄分や亜鉛が足りないので、それだけをサプリメントで摂取する人です。ですが、鉄分を多く摂取すると便秘になりやすくなり、亜鉛は鉛を身体から排出する良い効果がありますが、鉛は微量ですが甲状腺ホルモンの働きを促すために必要な栄養素なので・摂取しすぎると新陳代謝の問題に発展することもあります。いろいろな意味で体内の栄養素を管理、バランスを保つことはとても難しいので、一つだけのサプリメントを摂取するのではなく、必ず全ての栄養素が含まれているMultiVitamins & Mineralsを一緒に摂取し、足りない物を補い、多い物は排出することによって、他の栄養素の吸収の妨げを防いでサプリメントの摂取をしてください。
さて、この季節になるとアルコールを飲む機会が増えます。するとトイレに行く回数が増えるため、多くの水溶性のビタミンを排出することになります。特にビタミンB群(ストレスに対応することができるビタミン)を排出するので、ビタミンB群とアルコールを分解する働きを助ける栄養素(アミノ酸)を多く含む鍋料理を献立にしてみてはいかがでしょうか。
豚肉を多く使って常夜鍋
常夜鍋とは毎夜食べても飽きない鍋ということからついた名前ですが、とても楽に作れるお鍋料理です。使用する食材は豚肉(ビタミンBとアミノ酸)と白菜のみ。なぜ楽なのかというと、鍋に昆布(ヨウ素)とお水と塩少々を入れ、豚肉と白菜を一緒に入れて火にかけるだけだからです。豚肉が薄ければあっという間にできてしまいますし、基本白菜に火が通ったら鍋はできあがりです。食べるときに多くの人がポン酢を使うと思いますが、市販のポン酢を使うのではなく、ちょっとひと手間かけてお醤油にライムかレモンの果汁を絞って食べてみてください。もっとビタミンCを摂取することができます。他にアレンジとしてもっとビタミンAやビタミンCを摂取したいと思ったら、鍋ができあがった時にほうれん草やにんじんを入れて一緒に食べると良いでしょう。火にかけすぎるとビタミンCはなくなってしまうので、必ず最後に入れるのがポイントです。ビタミンB群の吸収を高めるために、アリシンを含むニンニクやネギをタレに入れて食べるのもいいでしょう。後はちょっとだけごま油をたらすと風味も変わり、オイルの効果で肌の乾燥を防ぐ働きもします。最後は必ずおじやを作り、汁にたくさん含まれている栄養素を全て食べるのを忘れないようにしてください。
毎日の献立の中にもちょっとしたアレンジや料理のタイミングを変えるだけで多くの栄養素を摂取することができるので、自分でいろいろと考えて料理するのもいいのではないでしょうか。
草野明美 自然医学博士/Naturopathic Doctor
1989年にカナダオンタリオ州に父親の転勤で引越しをし、2002年にトロントにあるCanadian College of Naturopathic Medicine にて修業後、2年ほどバンクーバーの指圧学校で講師/カウンセラーとして自然治癒力の素晴らしさを教えていたが、日本でも同じことができないか一度帰国。その後日本で結婚、出産をし2013年7月に再度家族を連れてバンクーバーに戻ったあと、カルガリーMarket Mall内のNutrition Houseにてサプリメント健康アドバイザーとして勤務。現在は2児の母としてバンクーバーに在住。