2019年12月5日 第49号

 オンタリオ州で生活保護を必要とする州民の傾向が近年変わってきていることが分かってきた。

 フィード・オンタリオが12月1日に発表した食糧危機についての報告書によると、フードバンクに通う人々の数が増加しているだけでなく、その傾向に州の危機的な状況が反映されていることが明らかになった。

 オンタリオ州で2018年4月1日から2019年3月31日までにフードバンクを利用した州民は51万438人、前年同期比で1・8パーセントの増加。年間利用回数は約300万回で、前年同期比4・2パーセント増となっている。フードバンク利用者のうち3割は子どもが占めている。

 さらに近年はフードバンクを利用するのは失業者や無職の人々だけではなく、正規の仕事を持つ人々が訪れる回数が増加していると報告している。

 就職して収入がある人々のフードバンク利用率は過去3年で27パーセント増加。パートタイムやフルタイムの仕事を持っている人でも、フードバンクを利用しなければ生活できない実態が浮き彫りとなっている。

 フィード・オンタリオのキャロライン・スチュワート代表は、こうした傾向はこれまで見たことがないと語っている。

 背景にはさまざまな要因が絡んでいる。最低時給で働く労働者が多いこと、パートタイムや臨時雇用のため賃金が低いこと、トロントでは住宅価格が高騰し収入の70パーセントを住宅に充てるため他の生活費に回らないことなどがあげられている。

 オンタリオ州の失業率は5パーセント台と全国でも低い水準になっている。それでも仕事に就いていれば基本的な生活ができるという保証がない現状が、フードバンクの報告書で浮き彫りになった。

 

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