2019年9月5日 第36号

 保守党アンドリュー・シェア党首は8月29日、妊娠中絶の是非をめぐる議論を再開する意思がないと改めて強調した。

 伝統的に保守派は妊娠中絶には反対の立場を取っている。アメリカでは選挙で争点となることもあるが、カナダでは概ね国民から受け入れられているため、選挙の争点になることは現在ではほとんどない。

 しかし、最近になって自由党議員の一人が、保守党が総選挙で政権交代を果たした場合、妊娠中絶に制限をかける法案の提出を内密にシェア党首が計画していると批判したため、改めて保守党党首としての見解を迫られた。

 さらに先月には自由党ラルフ・グッデイル公安相が突然、シェア党首が同性婚に反対するスピーチをしている映像をSNSに投稿。2005年当時の映像を選挙前のこの時期に投稿したことに非難の声も上がったが、シェア党首はメディアから説明を迫られた。

 これについてシェア党首は「この問題はすでに決着がついたことであり、法的に認められている」と述べたが、自身が同性婚に賛成する立場であるかについては言及しなかった。シェア党首は、一連の自由党からの自分に対する批判は、自由党が自分たちの政策ミスから有権者の目をそらすための策略と自由党を批判した。

 カナダでは2005年7月に同性婚が合法化されている。

 

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