2019年6月20日 第25号

 連邦新民主党(NDP)ジャグミード・シング党首は16日にオンタリオ州ハミルトンでの党大会で、今秋の総選挙に向けた党の政策を発表した。

 選挙の争点になると予想されるのは、全カバー型保険制度と薬代をカバーするファーマケアの導入。保険制度は、歯科、眼科、耳鼻科を含む制度を導入すると語り、さらに現在一般的な保険制度の適用外となっている薬代を保険適用とするファーマケアは2020年後半には実現すると語った。

 シング党首は、限られた所得の中で薬か食事かを選択しなければならない家庭が多いと語り、こうした選択をしなくてもいい国にすると語った。

 その他にも住宅事情の改善や高等教育への支援、チャイルドケア、郵便制度の見直し、ガソリン価格の適正化、携帯電話やインターネット料金の引き下げなどを盛り込んだ。

 一方で歳入については、富裕層への課税を1パーセント引き上げると説明。年間2千万ドル以上の高額所得者を対象とし、年間で数十億の歳入増が見込めるとしている。法人税も引き上げるという。居住用住宅への海外購入者税15パーセントを導入し、住宅市場が急騰することを防ぐ方針も発表した。

 「自由党も、保守党も、常に富裕層のための政策をこれまで実施し、本当の意味での中間層のためのものではなかった」と語り、NDPはそれを変えていくと集まった党員に訴えた。

 NDPは環境対策政策も今月に入りすでに発表している。現在のところ、支持率では保守党、自由党に続く第3位となっているものの、シング党首が就任して以降、支持率は低迷したままとなっている。

 

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