2019年6月6日 第23号

 アメリカのマイク・ペンス副大統領が5月30日に首都オタワを訪問し、ジャスティン・トルドー首相と会談した。ペンス副大統領の訪加は、昨年カナダで開催されたG7(主要7カ国首脳会議)以来。

 会談では、昨年11月にカナダ、アメリカ、メキシコの3カ国首脳によって署名された新北米自由貿易協定(アメリカ・メキシコ・カナダ協定:USMCA)の批准について確認したことをペンス副大統領が記者会見で明らかにした。USMCAは北米自由貿易協定(NAFTA)に取って代わる3カ国間の自由貿易協定となる。

 カナダは5月29日に批准手続きを開始、メキシコでも議会で手続きに入ることを30日に発表した。アメリカでは民主党が過半数を占める下院で批准に難色を示しているという。それでも、この日の記者会見でペンス副大統領はアメリカでの批准に楽観的な姿勢を見せた。

 この他にも、対中国で両国が協力するとペンス副大統領。中国で逮捕された2人のカナダ人男性の釈放に向けて努力することを確認したと語った。昨年12月にブリティッシュ・コロンビア(BC)州バンクーバー国際空港で中国の通信大手ファーウェイの孟晩舟副会長兼CFO(最高財務責任者)をアメリカの要請により拘束。直後に中国でカナダ人男性2人が拘束されたため、報復措置とみられている。さらに今年になってカナダの大手キャノーラ会社の製品輸入を禁止するなど、報復とみられる措置が続いている。孟CFOは現在もバンクーバーで自宅軟禁が続いている。

 ペンス副大統領は今年6月に日本で開催されるG20(20カ国・地域首脳会合)でドナルド・トランプ大統領がカナダ人男性2人の釈放について中国の習金平国家主席と話すだろうと語った。

 

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