2018年12月20日 第51号

 「もう行かなくちゃ」と、デートから帰ろうとする女性に対し、「外は寒いから」などと引き留めようとする男性のやり取りが有名な曲、『おもて寒いよね(Baby, it’s cold outside)』。1944年に作曲されて以来、クリスマスソングの定番として毎年この時期ラジオや街角でよく聞かれる曲だが、その会話が、女性が言外に示した意思を男性が無視し、高圧的な態度に出るセクハラだとも解釈されることが指摘されていた。

 そして最近のセクハラ被害告発運動(#MeToo)の動きに合わせるかのように、この曲を放送するラジオ局に対するリスナーからの苦情が、無視できない数になってきた。これを受けアメリカのいくつかの放送局がこの曲の放送中止を決定したのに続き、カナダ放送協会(CBC)も4日に、同様の決定を下した。

 しかし同放送局は11日、「リスナーから、この曲の放送を再開するよう極めて強い要望が寄せられた」として、同曲を再び電波に乗せ始めた。また歌詞の解釈については個々のリスナーの意見を尊重するとして、この曲を聞くか聞かないかは、リスナーの判断にゆだねると付け加えている。

 

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