2018年8月30日 第35号

 ブリティッシュ・コロンビア州の各地で発生している森林火災の規模が、同州の記録の中で最大だった昨年に続く、2番目の規模になった。

 昨年は1万2千平方キロメートル以上の森林が焼失したが、今年の森林火災は、これまでに9450平方キロメートルに広がった。同州内陸部のカムループス市にある、BC州森林火災管理センターによると、昨年と今年では森林火災のパターンに大きな違いがあるという。

 昨年の森林火災のうち、最も燃え広がった火事はいずれも7月上旬の3日間で発生したという。この期間で発生した森林火災は何百にもなり、最初は別々だったいくつかの森林火災が次第にひとつにまとまり勢いを増し、何カ月間にわたり燃え続けた。

 それに対し今年の火災は、発生件数だけ見ると600件も昨年を上回っているものの、そのほとんどで消火が順調に進んでいる。この違いは、春先に起こった大雨によるという。同州南部の多くの地域では、洪水が発生するなどして森林が保持していた水分が多くなり、森林火災の消火活動をはかどらせる結果となった。

 昨年は約6万5千人が火災を避けて移動したり、勧告を受けて避難したりしたほか、300以上の建築物が焼失した。今年は今までのところ140棟程度が焼失しているが、その半数以上は納屋などで、住宅の損失は50件前後だろうと、管理センターでは話している。避難した人の数はまだ正確には把握されていないが、BC州危機管理局にはこれまで、5400人ほどが緊急サービスの提供を申請している。

 昨年の消火活動には5億6800万ドルが費やされたが、今年は3億ドル程度になるだろうと、管理センターでは予測している。

 

 

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