2018年8月9日 第32号

 サウジアラビアは、同国駐在カナダ大使の追放とカナダとの全ての取引停止を5日、発表した。さらに、カナダ駐在サウジアラビア大使をカナダから出国させることも明らかにした。

 サウジアラビアの突然にみえるこれらの対応の発端は、カナダ外務省のツイートだった。

 カナダ外務省は3日、ツイッターでサウジアラビアに拘留されている女性活動家の開放を訴える内容をツイート。これがサウジアラビアを刺激した。

 ツイートは、「カナダはサウジアラビアでの市民社会、女性の権利を主張する活動家が逮捕されることに大きな懸念を持っている。活動家の中にはサマー・バダウィも含まれている。カナダはサウジ政権に一刻も早い彼らの釈放を要請する」という内容だった。

 これに対してサウジアラビアは内政干渉と反論。「一刻も早い釈放」という部分について「2国間関係において、不穏当で、受け入れ難く、非難されるべきものだ」とカナダ政府を批判した。

 カナダからサウジアラビアへの主な輸出品は、軍事用車両や小麦、大麦で、サウジアラビアからは石油を輸入している。2国間の貿易は2016年が39億ドルで、カナダにとって主要貿易国という額ではなく、すぐに影響が出るとは予想されていない。ただ、サウジアラビアはカナダに滞在するサウジアラビア人学生をカナダから退去させるとも発表していて、これらの学生が在学する大学などでは影響が出るとみられている。

 

 

読者の皆様へ

これまでバンクーバー新報をご愛読いただき、誠にありがとうございました。新聞発行は2020年4月をもちまして終了致しました。