2018年6月21日 第25号

 ブリティッシュ・コロンビア州内陸部の都市ケローナで5月9日、空から降ってきた異臭物が、サンルーフを開けていた車のドライバーなどに当たった件を調査していたカナダ交通省は15日、降ってきた物体は少なくとも航空機からのものではないという報告書を発表した。

 同様の事件は、ここ何週間かの間に18件、交通省に報告されている。いずれも、航空機のトイレタンクに溜まった糞尿が、洗浄用に使われている青色の消毒水とともに機外に漏れ落下してくる『ブルーアイス』の可能性が報告されていた。交通省は寄せられた情報のほか、該当時刻のレーダー画像や航空会社、空港などへの聞き取り調査を行ったが、いずれも『ブルーアイス』であるための要件を満たしておらず、航空機との関連性を否定する結果となった。

 この報告書に対し被害を受けたスーザン・アランさんは、自分に降りかかった、青みがかった凍り付くように冷たかった灰色の物体が人糞以外であるはずがないと、異を唱えている。

 氷点下の高度を飛行している航空機のトイレタンクから糞尿が漏れ出した場合、そのまま機体に凍り付くが、空港に近づき高度を下げるにつれ外気温が上昇、解け始めた糞尿が機体からはがれ地上に落下することになる。

 人糞と思われるものの直撃を受けて以来、まわりから嘲笑の的になってしまったアランさん。今回の報告書は、そんな彼女をさらに追い込む形になった。納得のいかない彼女は、誰かが真実を明らかにするまであきらめないと語っている。

 

 

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