2018年6月14日 第24号

 ケベック州モントリオール市に、全自動公衆トイレが近々導入される。約300万ドルをかけて市内12カ所に設置が予定されているこのハイテク公衆トイレは、重量センサーをはじめ、便座やトイレ床面の自動洗浄システムを備える。

 同市は世界大恐慌に見舞われた1930年代、市内の衛生向上と雇用創出のためにアールデコ調の凝った公衆トイレを約20カ所設置したことがある。しかし老朽化が進んだため70年代には全て取り壊され、以来市内には公衆トイレがなくなっていた。

 こうした全自動トイレを数多く導入しているフランスをはじめ、ヨーロッパでは公衆トイレが数多く設置されているのに比べると、カナダの大都市は大きく遅れていると識者は指摘している。オンタリオ州トロント市にも全自動トイレは3カ所導入されているほか、ブリティッシュ・コロンビア州バンクーバー市の中心部には一般の人が使えるトイレが11カ所あることが、ダウンタウン・バンクーバー事業改善協会が作成したオンラインマップで確認できる程度。

 公衆トイレの少なさは、高齢者や妊婦、胃腸疾患を抱える人などが外出を控える要因になっていると、「消化器系の難病患者の組織クローン病・大腸炎カナダ」のラシード・クラークさんは、メディアの取材に答えている。

 

 

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