2018年4月26日 第17号

 バンクーバー市は4月22日、過去に中国系移民に対して差別的な法や政策をとっていたことについて、公式に謝罪した。

 会場となった中国文化センターには約500人が詰めかけ、屋外の巨大スクリーンでもグレゴール・ロバートソン市長が謝罪する様子が映し出された。

 市長は「バンクーバーの中国系コミュニティ及び全ての中国系カナダ人にバンクーバー市が制定した差別的条例や政策を今日ここで正式に謝罪する」と英語で謝罪文を読み上げた。広東語でも読み上げられた。市長は今日がバンクーバー市議会にとってバンクーバー市民にとって歴史的過ちを正し、町が一つとなる重要な日となったと語った。

 バンクーバー市は1886年から1949年までの中国系移民に対する市の条例や政策について謝罪した。バンクーバー市は中国系カナダ人の選挙参加、行政職への就職の禁止のほか、連邦政府への人頭税への働きかけやプールや墓地などの公的施設での隔離、教育機関の選択制限など、さまざまな差別的政策を行っていた。

 この日会場に詰めかけた差別を受けた経験を持つ中国系移民は、謝罪を概ね好意的に捉えていた。

 BC州政府ジョン・ホーガン州首相はバンクーバー市と共に中国系コミュニティが受けた歴史的差別の苦しみをもう一度認識し、こうしたことが二度と起きないよう努力する必要があると声明を発表した。

 中国移民への市としての謝罪はニューウエストミンスター市が2010年に公式に謝罪したのがブリティッシュ・コロンビア(BC)州では最初。BC州政府は2014年の自由党政権時代にクリスティ・クラーク州首相が160以上の差別的な条例や政策について謝罪している。

 連邦政府は2006年保守党スティーブン・ハーパー時代に、人頭税の導入を公式に謝罪した。

 日系人に対する謝罪については、1988年に連邦政府が、2012年にBC州政府が、そして2013年にバンクーバー市が行っている。今年は日系リドレス運動から30周年の節目となる。

 

 

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