2018年4月5日 第14号

 保守党アンドリュー・シェア党首は4月3日、ジャスティン・トルドー首相のインド訪問に関する、連邦政府の安全保障説明会に出席することを受諾したと発表した。

 シェア党首は、保守党の党員と報道陣も国家機密事項以外の説明部分に招くと語った。

 トルドー首相の2月のインド訪問については、いろいろな意味で失敗だったとの批判が野党やメディアで繰り返される中、特に、政府の国家安全保障問題担当顧問ダニエル・ジーン氏の行動が問題視されていた。

 インドで開催されたカナダ大使館主催の夕食会に、バンクーバーのインド系カナダ人ジャスパル・アトワル氏が招待されていたことが、トルドー夫人と二人で写っている写真が公表され発覚した。このアトワル氏は1986年に、ブリティッシュ・コロンビア州を訪問中だったインドの閣僚の殺害を試みた前歴がある人物。なぜインドの閣僚を襲うようなテロリストを、カナダ政府主催の夕食会に招待しているのかという疑問が浮上した。

 これについて、インドでジーン氏がメディアへの説明で、インド政府が関与している可能性があると発言した。

 ところが首相一行と共にインドを訪問していた自由党ランディープ・サライ議員が、自分が推薦したと発表。自分ひとりの判断だったと謝罪した。

 その後、インド政府がこの件に関して一切関与していないことを発表し、カナダ政府に対して不快感を示した。

 政府内で食い違う意見に、野党やメディアはトルドー首相への説明を求めたが、どちらの言い分が正しいのかはっきりと説明しなかった。

 先月にはアトワル氏自身が記者会見を開き、サライ議員に頼んで招待者リストに入れてもらったことを説明。インド政府は一切関係ないと語った。自分は今では自由党だけではなく、保守党、新民主党とも親交があり、インドとカナダをつなぐ役割をしたいと思い動いている。事件後、インドを訪問するのは3回目であり、これまでに以前のインド閣僚殺人未遂の件で、インド訪問に支障をきたしたことはないと事情を説明した。

 そこで強まったのが、国家安全保障問題担当顧問ジーン氏の行動への疑問である。なぜインド政府が関与している可能性を、わざわざメディアに説明会を開いてまで語ったのか。野党が執拗に説明を国会で求めた。

 トルドー首相はこれについて「なぜ」の部分には一切答えず、カナダの国家安全保障担当を信用していると述べるだけだった。

 ジーン氏のシェア党首と議員、メディアへの説明は4月18日に予定されている。

 

 

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