2018年1月1日 第1号

 アメリカの実業家であり、慈善事業家としても知られたアンドリュー・カーネギーによって1904年、米ペンシルベニア州ピッツバーグに設立された、カーネギー・ヒーロー基金。その目的は、わが身の危険を顧みず人命救助に貢献した、アメリカとカナダに住む人の勇気を称え、メダルと賞金を授与するというもの。

 近年は年4回、毎回20人前後が表彰されているこの基金で、今回12月17日に発表された20人の表彰者の中に、カナダ人が1人含まれていた。

 ブリティッシュ・コロンビア州北部の、人口1万人ほどの町テラスに住むジェームス・ジャイルさんは2016年、燃え盛る近所の家の中に取り残された母親とその息子と娘を救うため、3度も火の中に飛び込んでいった。その時多量の煙を吸ったため、ジャイルさんは肺にダメージを負ったほか、何日かは頭痛に悩まされた。

 緊急時対応の訓練を受けたことがあったジャイルさんだったが、この時の消防隊の活躍に感銘を受け、のちに消防隊のボランティアメンバーとなっている。決して火の中に飛び込んでいくのが好きなわけではないと前置きしながら、ジャイルさんは消防隊員として、誰かの人生の危機を救うことができるのが、最大のやりがいだと取材に語っている。

 そんなジャイルさんのもとには、やがて基金から直径約7・6センチ(3インチ)のブロンズ製のメダルが届けられる。

 

 

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