2017年12月21日 第51号

 国内の2大都市圏バンクーバー(ブリティッシュ・コロンビア州)とトロント(オンタリオ州)の住宅市場で、コンドミニアムの建設ラッシュに投資家向け物件が多いことが明らかになった。ロイターが8日に伝えた。

 建設されているコンドミニアムのうち、約60パーセントがスタジオか1ベッドルームで、国内外の投資家が購入することを目的としているという。11月のコンドミニアム価格もトロントで前年同月比21・6パーセント、バンクーバーで23・9パーセント上昇。一軒家がトロントで4パーセント、バンクーバーで6・1パーセントの上昇だったことに比べると価格上昇率が突出している。

 両都市では不動産が高騰を続け、一般市民はすでに一軒家を購入できない価格まで上昇している。そのため、家族用のコンドミニアムの需要が大きくなっているが、現状は家族用ではなく投資家用集合住宅が建設されている事実が今回のアーバネイションの調査で明らかになったとしている。

 現在連邦政府は、海外投資家が両都市の不動産事情に与える影響を調査している。これまで海外の投資家による国内不動産売買の実態がデータ収集されていなかったため、両都市の不動産高騰の実態が把握できていなかった。これまでのデータは不動産協会によるもので、政府によるデータ収集は行われてこなかった。

 しかしバンクーバーでは、海外投資家による不当な不動産売買が全国紙グローブ&メールによって明らかになり、ブリティッシュ・コロンビア州政府が2016年8月に外国籍の人が購入する場合は15パーセント課税する海外購入者税を導入、今春にはオンタリオ州政府が同様の課税を実施している。

 連邦政府の調査結果は今週にも発表される予定になっている。

 

 

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