2017年12月7日 第49号

 ニューブランズウィック州の南端、米メイン州との国境に近いグランド・マナン島沖で、まるで爪の部分にペプシ缶のタトゥーをしたかのようなロブスターが見つかった。

 このロブスターは、漁船の上で爪にゴムバンドをかける作業をしていたカリッサ・リンスランドさんが見つけた。1日にペプシコーラを12缶も飲むほどのペプシファンの彼女は、このタトゥーがとても気になった。

 ロブスターの爪に『描かれて』いたのは、ペプシ缶の一部。一部だけとはいえ、お馴染みの赤と青の配色、そして表面に結露した状態まで緻密に描かれた缶の様子から、これは間違いなくペプシコーラの缶だとわかる。

 一体どうしたら、野生のロブスターにこのようなことが起こりうるのか。リンスランドさんは漁師仲間のほかペプシ配送トラックのドライバーなどにも聞いてみたが、すべて推測の域を出なかった。いわく海底にあったペプシ缶を印刷したパッケージが成長過程のロブスターの爪の部分に張り付き、そのまま成長したのではないか…などなど。

 いずれにせよ確実にわかったことは、ロブスターの生育環境がゴミで汚染されているということ。ニューブランズウィック州の自然保護評議会のメンバーで、海洋保護プログラムのコーディネーターを務めるマシュー・アボットさんも、いまやゴミは至る所に蔓延し生態系を脅かしていると指摘している。特にプラスチック製品は次第に細かくなっていくが、消失することなく海中を漂い、それをエサと勘違いした魚や他の海洋生物が摂食してしまい、最悪の場合死に至ることもあると取材に答えていた。

 

 

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