2017年10月19日 第42号

 ケベック州ケベック市の空港で12日、着陸間際の旅客機に小型無人機(ドローン)が衝突した。

 この双発プロペラ機には乗客6人と乗員2人が乗っていたが、機体に軽微な損害を受けただけで無事着陸、けが人はなかった。

 ガルノー・カナダ交通大臣は15日に行われた記者会見で、もしドローンがコックピットやエンジンを直撃していたら深刻な事故につながったとして、事態を重く見ていると語っている。

 旅客機とドローンが衝突したのは、滑走路直前の高度1500フィート(約450メートル)とみられている。ガルノー大臣は、この高度でのドローンの飛行は違法であると指摘している。交通省は最近増加が著しいドローンの飛行について、暫定的なルールを設定しながら、その安全対策を講じている。

 例えば、空港から半径5・5キロメートル(3マイル)以内やヘリポートから半径1・8キロメートル(1マイル)以内では個人が所有するドローンは特別許可なしには飛行が禁じられている。近々更新される暫定ルールにはさらに、ドローンを運用できる最低年齢の設定、筆記試験やドローンの機体に所有者の住所氏名を書き込むことの義務化が盛り込まれる予定。これに違反して航空機の安全性を脅かした場合、2万5千ドルの罰金か禁固刑となる。

 交通省は2018年に最終的なドローン運用基準の制定を目指している。

 今年に入ってドローンが関係するインシデントは1596件発生しており、そのうちの131件は航空機の安全性に関わるものだったという。

 

 

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