2017年9月28日 第39号

 ジャスティン・トルドー首相は21日、国連総会でカナダ国内の先住民族との問題を主題にした演説を行った。

 トルドー首相の演説内容は、カナダが先住民族に対して行ってきた差別と、それに対する政府の反省と償い、そして先住民族とともに暗い過去を克服する決意を表明したものだった。

 これについて国内では賛否両論が噴出している。賛成派は、難しい国内問題解決と差別や貧困といった世界共通問題を連携させた演説は、国際的に共感される、と一定の評価をしている。

 一方で、カナダの積極的な国際貢献に言及した演説をした方が良かったのではとの声もある。トルドー首相は昨年初めて国連総会に出席した。2015年11月に自由党が政権交代を実現し、それまで国連軽視だった保守党の政策から方向転換。国連平和維持軍にも積極的に参加することを表明していた。しかしいまだ具体的な政策は発表されず、検討中としている。カナダは2021年の国連安全保障理事会非常任理事国入りを目指しているため、今回の国連で何らかの表明が期待されていた。

 

 

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