2017年7月20日 第29号

 ビル・モルノー財務相は18日、富裕層にとって有利に働く「法の抜け穴」となっている課税制度を見直し、課税を強化することを発表した。

 富裕層への課税強化は自由党の選挙公約の一つ。そのきっかけとなったのが、非課税地域に銀行口座を持つ世界の富裕層のリスト「パナマ文書」の公表。その中にカナダ人の名前も多く掲載され、富裕層が脱税行為をしていることが問題視された。

 抜け穴と認識されている行為のひとつは、「スプリンクリング」と呼ばれているもので、民間企業のオーナーが自身の所得を家族に給与として支払うことによって分割する方法。他には所得を配当とキャピタルゲインに転換するやり方。どちらも違法行為ではない。

 財務省によると、現在スプリンクリングを利用している家族企業は約5万社で、制度見直しで年間約2億5千万ドルの歳入になると試算している。

 

 

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