2017年6月22日 第25号

 ブリティッシュ・コロンビア(BC)州自由党政権が22日に再開する州議会での議会開会の式辞で、これまで頑なに変更を拒んできた2政策の変更を盛り込むことが19日、分かった。

 自由党が18日夜に発表したところによると、政党献金制度の変更、低所得者への支援の充実が盛り込まれるという。この2つは選挙期間中も、自由党が野党との違いを前面に押し出し、変更の必要なしと訴えていたカギとなる政策。

 政党献金については、これまでBC州内外から献金額の上限なく企業からも団体からも受け付けていた。こうした状況に、選挙前にはニューヨーク・タイムズ紙が「ワイルド・ウエスト」と揶揄するほどだった。しかし自由党クリスティ・クラーク州首相はこれを「正当化」し、献金を制限すれば税金を使用して党を支援しなくてはならないと公言していた。

 低所得者支援については、生活保護支給額をひと月100ドル増額すると発表。さらに職業訓練や教育支援などの制度を試験的に行っていくとしている。自由党政権はこれまで約10年間、支給額を凍結。選挙期間中も全く触れず、雇用を促進することで解決すると語っていた。

 この2政策は、選挙期間中に新民主党(NDP)とグリーン党が、変更の必要性を訴えていた政策。自由党が180度政策転換し、NDP・グリーンの政策に近づけたことに、両党は不信任がほぼ確実となる自由党のなりふり構わない対応と批判している。

 自由党は今回の政策転換について、選挙を終え有権者の声を真摯に受け止めた結果とし、少数派政権としては当然との考えを示した。

 今月22日に議会が再開した後、来週初めにも自由党政権への不信任が可決されるとみられている。

 

 

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