2017年6月8日 第23号

 ケベック州モントリオールのホームレス支援団体が、職業訓練として養蜂を取り入れている。

 場所は、この団体アキュエイユ・ボヌー(Accueil Bonneau)のオフィスがあるビルの屋上。養蜂プログラムが始まったのは2014年のことで、ほんのいくつかの巣箱からの出発だった。それが今では約5万匹のハチを飼育、同じような養蜂場が市内7カ所に開設されるまでになった。

 また季節に応じ、異なったトレーニングが提供されている。春には地元養蜂企業の指導のもと、巣箱の清掃とハチの健康状態のチェックを行う。夏の終わりには蜂蜜を採取、小売りも行う。このプログラムのウェブサイトによると、地元で採取され低温殺菌を行っていない、この蜂蜜は、微かなミントと花の香りがするという。

 売上はすべて、団体のシェルター運営資金に回される。しかし、こうした直接的な利益のほかにも、このプログラムは環境的に多くの利点をもたらす。市内を飛び回るハチは、住宅の庭など緑地の植物の受粉を助けるほか、多くの都市部で顕著になってきているハチの減少を補うことにもなる。

 また、養蜂はハチに対して非常にデリケートな取扱いが要求される上に、決まった手順にしっかり従う必要があり、トレーニング受講者に対して手順と責任感を教える機会にもなると、同団体では説明している。

 

 

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