2017年5月18日 第20号

 ブリティッシュ・コロンビア州議会議員選挙の投開票が9日行われ、自由党43議席、新民主党(NDP)41議席、グリーン党3議席となった。この結果、87議席中44議席で多数派政権となるために1議席足りなかった自由党の少数派政権となることが、ほぼ決まった。

 しかし、この時点ではまだ確定していない。最終結果は5月24日以降に発表される。

 自由党クリスティ・クラーク党首は10日、記者会見を行い、ジュディス・ギチョン副総督との会談で最終選挙結果が出るまでの間、クラーク党首が州首相として継続するようギチョン副総督から要請があったと明らかにした。

 13日にはBC選挙管理委員会が、未集計の不在者投票と、9票差でNDPが議席を確保したコートニー‐コモックス選挙区、560票差で自由党候補が当選したバンクーバー‐フォールス・クリーク選挙区での再集計を発表。未集計の不在者投票数は約17万6千票あり、今月22日から24日に集計を行い、最終結果が発表される。

 不在者投票とは、在住する選挙区以外で投票された票や郵送による投票のことで、毎回選挙投票日以後に集計されている。これまでは不在者投票結果で政権が変わるほどの接戦がなかったため、あまり注目されなかった。しかし今回の選挙では、獲得議席数の配分が不在者投票の結果次第では変わってくるため、注目されている。

 もし仮に9日の投開票結果のままとなれば、BC州では1953年以来の少数派政権誕生となる。そして、議会のカギを握るのは3議席と最も少ないグリーン党という構図になり、自由党もNDPも、グリーン党の同意なしに法案を通すことができないという微妙なバランスを保つ。

 クラーク党首は「多数派だろうと、少数派だろうと、党を越えて協力してやっていかなくてはいけない。これまでとは違う政府を希望したという有権者のメッセージを受け止めてやっていく」と10日の記者会見で語った。

 不在者投票の結果が左右する選挙区が最低でも5選挙区あると予測されている。結果次第では、自由党の多数派政権、もしくはNDP政権誕生の可能性も残っている。

 

 

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